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9-Finder 

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「お久しぶりですね!」

ルミ・・・・・、精一杯の気持ち、堪えた一言

「ああ、本当に!!」

拓哉もどうやらその言葉が、言える言葉の最大で最高の一言

「元気!」

「元気ですか!」

二人の言葉が重なった。


どうもまだ二人の息、と言うか、呼吸は合うのだろう・・・

「君の歌・・・凄いらしいな!」

今度は拓哉が0.6秒早かった。

 「貴方こそ・・・アメリカで頑張っているんでしょ?」

ルミ募る思いを必死で堪えている。

拓哉に気づかれないように・・・

 しかし、隣でそっと二人の話を聞いていたシャローン、

正確な言葉、意味は分からないが、大筋で解る。

そしてルミの拓哉への思いも・・・


シャローンとルミ二人の面識は勿論ある。

今挨拶をしなかったのは、それより前にシャローン、ローラが揃って

あのチャリテーコンサートでの、多大な寄付に対して祖母からの手紙と、

感謝の品を渡しにルミと会っていたのだ。


「ねえ、拓哉さん、今回のPV引き受けて頂いてとっても嬉しいです!」

やはり、拓哉さんなのだ。

もう拓哉と呼ぶ事は出来ないのだろうか・・・!?

「そっっちこそ、・・・・俺で良いのか?」

やはり他人行儀だ。

もうルミと呼ぶ事も無いのか・・・・

 「勿論、拓哉さんが・・・拓哉さんに作って欲しいです!」

「そうか、それは光栄だ!」

 「PV製作・・・・モデル・・・・彼女で行うのでしょ!?」

「ああそのつもりだ!」

「そして君も・・・だ!」

 「えっ・・・私も!??」

「それは、そうなるだろう・・・何せ君の曲だから・・・!」

 「まあ・・・そうですけど!?」

「何か・・・不満が・・・?」


二人の気持ちの裏の感情は非常に複雑だ。

まず二人ともあの時に心の底まで、触れ合って、ぎりぎりの所で結ばれていない。

ルミは完全に拓哉にゾッコンだった。


そして拓哉も沙霧が現れるまでは、相当ルミに心を奪われて、

ギリギリで踏みとどまった。

抱くのを・・・・は・・・・決して嫌いではないのだ、ルミを!

拓哉の信念で被写体は抱かない!

抱けばズレル。


そうまるで自分だけの作品に・・・その強い信念で仕事を続けて来た。

今も・・・勿論シャローにも、・・・だ、最後の一線は越えない。

超えるときは、もうその被写体は公の広告媒体としては使わない。

 

以前、そんな関係になった娘は写真集として、

作品を出版した事は少ないがある。

しかし、そう言うと彼の写真集の作品は拓哉が抱いた女、

という事になるが、それは誤解だ。

そんな事無しで!・・・・ 写真集を当然撮っている!

誤解の無いように!!


 「いいえ、そんな事は・・・ありません!」

勿論ルミも、彼のファインダー越しに見つめられた事を想像して、

不安が沸いてきたのだ。

せっかくあきらめて、音楽の世界にのめり込み、

必死で自分をコントロール出きる様になったのに・・・・


そんな言葉のやり取り、果たして何処まで理解しているのやら・・・

女の感は非常に鋭い!

まして二人の関係を知っているのだから・・


「それで、君のスケジュール、教えてもらいたい!」

 「はいわかりました!」

そう言ってルミスケジュール帳を覗き込むルミ、

しかし、ルミのスケジュール・・・・まるで空が無い。

ぎっしりと詰まった文字から空いた時間は取れそうにない。


「そうか・・・・今の君・・・・・」

「・・・君に空き時間等・・・当然無いか!?」

反対側から見えるノート・・・・まるで空白が無い!

 「そうね・・・でも何とかするわ!」

「それじゃあー、君の映像はスタジオ主体が精一杯かな!?」

 「少し待って・・・・・お願い!」

必死に頭の中でやりくりを考えるルミ!

「・・・・・・・・」 

「ねぇ! それで、何日空ければ?」


やはりルミ、あの時のあの車山のリフトの経験が強烈な印象、

思い出として心に刻みついている。

「そうだな・・・2日いや・・・3日・・・でも無理か!?」

まあ・・・おそらく彼女の今の現状、おそらく無理だろう・・・

そう思いながらも一応聞いてみた。

 「うん・・・3日・・・解りました!」

「何とか調整します!」

「そうですか、それでは、日程が空きましたら連絡下さい!」

 「はい、何とか頑張ります!・・・・絶対!」

「でも余り無理しないように!!」

 「で、貴方のスケジュールは?」

「私どもの方は、大丈夫ですから・・・」

 「そうですか・・・?」

「貴方のために・・・日本に来たのですから・・・」


「あっ・・・ルミ!・・・・・・」

何か言うつもりだったが急に言葉を止めた。


しかし、ルミその言葉に相当ドキリとした。

そして、胸の高まりが・・・鼓動が激しく・・・

心臓に何かが刺さった様な気分に


- -  Finder-TV-CF 9 Fin Finder-TV-CF - -


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