2-Finder
2-Finder
「どうなってるんだ・・あいつ!」
何処からともなく、聞こえて来た声に・・・・
「おいみんな・・、それでは、再開!」
拓哉、気を取り直して・・・、
だが、先ほどの言葉が頭の隅に残る。
「はい!」
「はい!」
「シャローン、もっとゆっくり!」
「そう、楽しそうに、はい!」
「おい、レフ! 追いかけろ!!」
「はい、すいません!」
!!! - - - !!! - - - !!!
「はい、OK! お疲れ!」
「おつかれ様!」
「お疲れ!」
シャローンは拓哉の下へ歩み寄り、拓哉に抱きつく。
もっぱら、アメリカでは軽い気持ちでハグをし合う。
始め拓哉は馴染めないと言うか、照れ臭かった。
今はそれが当たり前に・・・・
シャローンの豊かな胸が心地よい!
シャローンは、他のスタッフともハグをし合って、
仕事の締めくくりとする。
機材を片付け始めた頃、あいつ、マーク・ジェーンが車を降りて、
拓哉の下へやって来た。
「やあ、さっきは有難う!」
「まあ、ちょいとした運動だ。体が鈍っていたからな!」
「マーク、何か武術を?」
「まあ、色々と・・・ね!」
そう言って、拓哉に向かって右眼でウインクした。
拓哉も若気の至りで、突っ張って暴れていた。
負けないために・・・・拓哉は、
少林寺、空手、柔道と喧嘩に負けないように、やっていた。
マークの技を見てそれとは少し違うような感じがした。
結果として、ほんの10秒程で3人をあっという間に、
片付けてしまった。 凄腕だ。
マーク自身も拓哉の強さ実力を見抜いている様だ。
「何処かで、一杯やりながら話そう。」
「オーケー、良いだろう!」
拓哉は他のスタッフたちを先に返した。
マークと少し話があるからと!
二人は小高い丘から、大西洋の海が臨める白いレストランに入っていった。
マークが注文を勝手に生ビールジョッキで2杯注文した。
「TAKUYA それで良いだろう!」
「ああ、任すよ!」
つまみは適当にと言ったのか、魚介類、かに、肉類、が自動的に出てきた!」
「君のCF撮影を見させてもらったが・・・」
マークはその先を言うべきか言わざるべきか躊躇している様子だ。
「君の言いたい事はわかる・・・よ!」
話が途切れているマークの言いづらい点を、拓哉が自ら続け様と話し出す。
「正直俺は、写真、すなわち1カットで勝負する仕事をしていた。」
「!!・・!!・・・」
「だから、CF(動画コマーシャル)すなわちTV-CFに対してこれが2度目だ!」
「まあ、その点が君の武器といっても良いだろう!」
「ありがとう! そして、マーク!」
「その後の言葉の意味・・わかる!?」
「いや、勘違いしてもらっては困る、俺はその君のやり方を学びたい!」
「どう言う事だ?」
「正直に言おう・・・、TAKUYA 俺と一緒に仕事をしないか?」
「何故だ?」
「それは・・・・・!」
「君の緊張感のある一瞬のカット、その熱いエネルギーを有意義に・・」
「そうだ、僕のTV-CFに注入して・・・最高の作品を作りたい、君と!」
「所で、今君はどんな作品を・・・撮っているんだ?」
「そうだな、俺は今 音楽CDのプロモーションビデオが主体だ!」
「ほう、プロモーションビデオか・・・?」
「今のそれは、俺的には気に入らない!」
「何処か俺は気に入らない!」
「で、どんな風に・・・」
「それは・・・・、今模索中だ!?」
「!!・・!!・・」
「だか・・・今ひらめいた。 そう、君 TAKUYAの撮影風景を見てだ!!」
「おい、そんなに・・・買い被りではないのか?」
「いや・・決してそうではない!」
「それは・・・どう言う事だ?」
「悪いが、君の作品見せてもらった!」
「嬉しいが、俺の作品・・・そんなに簡単に?」
「実は、繊維・衣料業界に、俺はレコード業界と同じように、太いパイプがある!」
「そういう事か! という事は、君はあの大手レコード会社の・・!!」
「そうだ、別に隠していた訳ではないが、**レーベルの責任者だ!」
「ああ、そのレーベル俺も知ってる。 そうか、君が・・・」
「どうだ、一緒にやらないか?」
「だが、俺は・・・まだそんなに・・!」
「いや、TAKUYA、君の仕事見させてもらって、俺は確信した!」
「そうだな、丁度俺も何か新しい事を・・模索中だった!」
「そうか、それでは、決まりだな!!」
「よし、やるか!!」
「君と僕ならきっと、斬新な作品が出来ると確信している!!」
何と、マーク・ジェーンは全米のレコード業界で、ベスト5に入る、
超エリート会社の御曹司だったのだ。
マークは任されたプロモーションビデオの、新しいアイデアを模索中に、
偶然にも拓哉の作品を見るチャンスに出くわした。
そして彼は、ピンと来た。
その後直ぐに、彼の情報網を駆使して、拓哉の撮影場所を探し出し、
じっとその撮影風景を見続けていた。
そして、確信した。
彼の両方の腕を・・・・・
- - Finder-TV-CF 2 Fin Finder -TV-CF - -




