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26-やっぱり拓哉がいい!!

26-やっぱり拓哉がいい!!


実際ファインダーを覗いていると、女性はファインダー越しに・・・・、

特に何百回もシャッターを切っていると、その女性は、

“もう、どうにでもして” ”抱いて“と言った表情をする、確かにそんな時、

すばらしい写真が撮れる事が多い。


撮影中に・・・・

 ”君は綺麗“ 

”世界一美しいよ“ 

”男が君の虜になってしまうよ“ 

”抱きたくなるね!“

 ”俺、もう完全に君の虜だ“

 等などいいカットを撮る為に、

美辞麗句を並び立てるカメラマンが殆ど、だ。


すなわち、モデルをいい気分にさせるのだ。

それは、人物撮影、特に女性をとるのに常套手段だ。

 男性を撮る事の無い拓哉だが、

女性カメラマンは男性モデルに、おそらく同じ様な事をしていると思われる。


 ルミが思うに、拓哉に愛されていたと思う、しかしそれは、

仕事の割合が7割ぐらいで、時には9割近くに、

達した事もある自信はある。


ルミが野外コンサートで歌った時、

ステージを終えて拓哉に駆け寄った時、

あの時抱きしめてキスしてくれた時、

その時は拓哉ルミの心の中にあった。


その後二人でGTRの中で満天の星空の中、拓哉の流した涙。

そして、拓哉のために唄ってあげた事、

そんな時、ルミは完全に拓哉を独り占めにした。

身も心も・・・・!


 ルミから拓哉の心が離れて行ったのは、

沙霧さんの過去を知った時からだ。

 そう・・・、彼女の身体と生い立ちを聞いてから、

拓哉の心は完全に沙霧さんの方に傾いてしまった。


ルミは、始め拓哉が沙霧さんの美貌、スタイルに惹かれてしまったと、

勘違いしてしまい、無謀な賭けに出てしまった。


今思うと、とてもはしたない事をしてしまった。

ふり帰って、も恥ずかしさでいっぱいだ。

 拓哉の気を引きたくて・・・・、拓哉の目の前で自らブラウス、

ブラ、スカート、そしてパンティまでも、脱ぎ捨てて、

拓哉の前で全裸になってしまった。


しかし拓哉は殆ど見てはいなかったようだ。

目を背け、直ぐに脱いだ服を拾い上げ、

半ば強制的に、着せられた格好になってしまった。


 

しかし、その意表をついた行動は、拓哉を動揺させた事は事実だ。

そうだ、あの時ルミのブラジャーは何処に・・・、


 あわてて着せてくれたブラウス、拓哉が着せてくれた、でも、

ブラは・・・もしかすると拓哉が・・・


 とにかくあの時は、拓哉に自分だけを見ていて欲しくて・・・

かつて、その様な積極的な意思表示など、決して無かったルミ!

それだけ拓哉に・・・、夢中になっていた証だろう。


 そんな拓哉、一体何処へ、噂ではもう日本にいないと言う事も聞いた。

そして、沙霧さんの育ったニューヨークに行ったと言う噂も・・・・

日本では、ルミの追悼コンサートの波紋があちこちで広がっている。

噂が噂となって、かなり大変な事になっている。


テレビ取材、追加コンサートの話、CDデビューについて等、

様々な問い合わせが後を立たない。

 芸能関係の記者も、お手上げ状態が、現状だ。

なにせ、問い合わせさえも苦労をしている。

と言うか、わからないのが現状、専属プロダクションなど無いのだ。


ルミ自身、あれから自宅に引きこもっているのも現状、記者に見つかる事も無い、

そうだ、見つけられない。

 まして、拓哉の事が気がかりで家に引きこもり。

かつて、渋谷などのライブハウスに出演するとき、

殆ど自分で細々と行っていたのだから・・・・


問い合わせを、何処にしたらいいのかわからないのが現状、

あのコンサートの時、しきった大手の東欧堂ですら、

父親の意向でコンサートを行ったが、

その時、上戸(北沢)ルミの連絡先はダイレクトに聞いていない!


 ましてマネージャーのような仕事をしたのも、

父親の会社の人間で連絡が難しい。

会社としても、父親が芸能界に対して消極的なので・・・・、

もし、知っていたとしても社員の口は堅い。

 拓哉の意向で、写真も動画も衣装も、今は世に出ていない。

ルミの父親も、沙霧や長谷川さんの状況を考えて、暫らく保留の状態。


 何せ、拓哉の気持ちを確認するまでは、

全てが前に進まないのが現状だ。


 あるマスコミなど、北沢ルミにレコードデビューの話しや、

俳優への要請で、出演、CDデビューを待っている広告や、

テレビでの呼びかけのCMが、スポットで出る有様だ。

何と異例な現象だろう。


いまだに、あの時の追悼コンサートの問い合わせが、

後を立たないのだ。

「もう一度、北沢ルミの歌が聞きたい!」

「何とかしろ・・・」

と言った、北沢ルミを芸能界、音楽界・・・

呼び出して欲しい人が、数多くいるのが現状だ。


 実は、あの追悼コンサートで中に入れなかった人たちに、

記帳をしてもらい、賛同してくれた方々の中で、

寄付してくれて住所のわかる人たちに、

あのコンサートで唄った曲の中の

亡くなった二人の追悼曲 


 上戸ルミ作詞 作曲 の歌を1曲CDに焼いて、プレゼントして贈っている。

その内容は、会場に入れなかったおわびと、二人の冥福を祈る言葉

そして、本当に1曲だけルミの歌が入った内容だけだ


 始め、送られて来た本人たちは、さほど気にしていなかった。

が・・・、後にそのCDがルミのCD1枚目と言う事になり、

ネット上で高値を呼んでいる事に驚いてしまっている様だ。


 ルミは拓哉に会えないつらさが日に日に募ってくる、

そのつらさをルミは、家に篭りギターとピアノの前にいる日が続く。

 世の中が、ルミを呼んでいる事は、たまに付けるテレビや雑誌などで、

知っている。


しかし、音楽活動も拓哉がいて楽しい。

以前は、小さな渋谷などのライブハウスで行った、

音楽活動も楽しかったが・・・、

 今は、拓哉に聞いて欲しい。

完全にルミは、拓哉にハマッテしまっている、

父親を通して音楽活動の事を、聞かれたが今は、

 “そっとしていてほしい” と父親に言うと

 “わかった” と父親も状況を理解していてくれる。

とにかく、ルミにとって名声やお金・・・・、

殆ど無縁な存在なのだ。


 今は、せつなく募る想いの拓哉の事だけ・・・、

それが一番・・・・他には考えられない・・・


 その想いが、ルミに多くの曲を生み出す結果として、現れている。

楽しかった事が、星の数ほど・・・・・

 ルミの人生で始めて山に登った事、

リフトの力を借りたが・・

 手を繋いで、弾む心で、しっかりと自分の足で歩いた車山の山頂、

あんな心をやさしくする、ステキな緑いっぱいの広大な優しい高原、

山頂付近の岩場で、自然に咲いていた色とりどりの綺麗な高山植物、

喜び勇んで転びそうになった時、ふと手を差し伸べてくれた人

暖かく大きな、すらりと伸びた拓哉の、何でも知っている手。


寒いからというと、抱いてくれるという女性スタッフに

抱いてくれるなら男がいいとせがむと、抱いてくれた優しいあいつ・・・

 人目も気にせずに、思いっきり抱きしめてもらった、あの大きな腕の中、

ロープウエイで、二人きりで乗ったあのフード付きのボックス、

そこは、まるで大自然の中の、雄大な観覧車に二人きり

 相手はみんな拓哉、そう、木村拓哉・・・・、

夢のようだった・・・・


 ルミは遊園地などで、二人きりで、観覧車などに乗った事など無かった。

山頂から降りてくる時など、ミニスカートを着せられ・・・・、

拓哉からファインダー越しに下から見られ、

パンツ丸見えの時、とても恥ずかしかった。


でも拓哉の真剣な顔、ファインダーから覗かれ・・・、

時折、拓哉の瞳が見える時など、

かえって幸せいっぱい・・・・、感じた。


 コロボックルヒュッテで、二人で過ごした。

とっても楽しかった一夜・・・・、

ルミがあんなに誘っても・・・・、

朝まで決して一緒に寝てくれなかった。


あの時、私そんなにも、魅力無いのかと・・・、

少し自信喪失、

拓哉に誘惑は通用しないのか?

それとも、私が・・・

拓哉と高速で二人きりの時・・・、ルミは・・・、

目いっぱいオシャレして来たのに、

拓哉ったら・・・・、車の運転に夢中・・・、

でも、時々脚に視線を感じた。 

やっぱり拓哉気になっていたのかな?


 でも、私が白樺湖で湖に落ちた時、

その姿を連射で写真を撮っていたらしい。

落ちた時、何故、私を助けてくれないのか攻め立てたが・・・、

 それも回りの状況を把握して、ファインダーから目を離さなかったのだと言う。

今でも少し不満・・・・・・ しょうがないか!


その後、私の部屋に様子を伺いにやって来てくれた。

少し遅かった。 が、まー、いいか・・・!

あの時抱きしめてくれたの、とってもうれしかった。


 次から次へと、まるで録画再生のように、自分の頭の中から、

あのすばらしかった日々が蘇ってくる。

どんどん拓哉の想いが募る。

 やっぱり、拓哉が好き、愛している。

その事を毎日のように繰り返す。

そして、曲もいっぱい増える。


あの自然の風景と拓哉の気持ちを思って出来た曲がたくさん。

そして、突然の野外コンサート本当に気持ちよかった。

室内で歌う時と全然違う。

あの時最高な気分になれた、

拓哉が聞いていてくれたせいもあるかな?


Cap-26 ファインダー越しに恋して  Fin

          

See you later     Nozomi Asami


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