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23-ルミ沙霧のために、熱唱!

23-ルミ沙霧のために、熱唱!


ルミのチャリテー追悼コンサートの当日がやって来た。

ルミの衣装は拓哉が好みそうな、そして沙霧さんが、

アドバイスしてくれた事を、心に刻み込んで選んだ。


 会場は午後7時開演、招待客として、もちろん長谷川さんの

もと妻の母ロザリオそして二人の娘だ。

 一番のサプライズは、沙霧が小さい時散々世話になった、

育ての両親も参加している。


長谷川さんの義母がかなり苦労して探してくれたのだ。


やがて、静かに幕があがる。


ナレーションで、今回のコンサートの趣旨が語られる。

バックのスクリーンには ルミの比較的おとなしい大人の感じの・・・

ルミの写真が・・・・・・、

そして、霧が峰、美ヶ原の美しい自然の風景がフューチャーされる。

あくまでもルミではなく、衣装でもなく・・・、

そう沙霧さん、長谷川さん、の気持ちを汲んだ演出だ。


 そして、舞台のセンターに、スポットライトが当たった。

そこには、清楚な、そして気品のある、如何にも沙霧さんが、

選んでくれたような、白を基調としたドレス、

 コサージュにはあの霧が峰の緑、可愛らしく咲いていた色とりどりの花を、

イメージしたものだった。


ギター1つの伴奏で、沙霧への想いを込めた弾き語り。


 あなたはいつも優しく、気高い いつまでも いつまでも

まるで・・・・・   ・・・のようだ

--------- 夢を追いつつ

    ------------ 穢れの無いドキッとする瞳で

            -------------- 生き続けるでしょう

永久とわの誓いをあなたと・・・・・


曲が終わり、ルミが頭を下げると、割れんばかりの拍手、

なかなか鳴り止まない。


次の曲の演奏が始まると、一斉に拍手が止まる。

 

 次にルミ、ピアノの前に向い座る、ジャズナンバーだ!

アール、ハインズの “ロゼッタ” が軽快に流れる、

終わると、今度はルミの親友のギターが加わり、 

ビクター・ヤングの “ゴールデンイヤリング”

マイナーな美しいメロディー

     ・・・・・・・・     ・・・・・・ 

・ ・・・・・       ・・・・・・     ・・・・・・


ボギー・カーマイケルの“ニアネス・オブ・ユー”

ほかに、スタンダードなバラードが数曲


ある曲など、自分が詞をつけて唄うこともあった


曲の終わりは、いつも盛大な拍手が鳴り止まない


当然ピアノの前では、あの霧が峰でコーディネートされた衣装 

沙霧さん拓哉さんが喜んでくれた衣装だ。


休憩を挟んでビートルズの曲、その中には 

“Let It Be” もセレクトに入っていた。

とにかくレコードも出していない、テレビにも出ていない! 

いや一度だけ、そう信越放送でナマ飛び入り出演した事がある。

その時の反響もすごかったが、今はメチャクチャだ。


 TVこそ入れてないが、外では大変の反響だ! 

マスコミ関係者がうろうろ、なぜなら彼女の歌声は、

ナマでテレビ出演やCD等 彼女の歌声が、お金で手に入らないのだ。


 開演5時間前から行列、行列、一体何処からこんなに・・・・

蓋を開けてあまりの観客に、雇った警備員では対応出来なくなり、

警察を急遽要請した次第だ。 


 始め行列に並ぶ人達は、“誰のコンサート”か、と言った、

意外とクールな受け止め方で、天下の東欧堂ですら、

見当がつかなかったと言うべきか、

あまりの人気に、大失態を演じる事となった。


 実は、予定の5000人はたった1時間で満員。

事情を知っている人たちはチャリテー箱に入れさせろ、

箱を用意しろと、ひと悶着あったのだ。

その事をルミに話すと、記帳の用意を依頼した。

後で、何がしかのお礼がしたいと言う事で。

 

 とにかく、1回きりのコンサートだ。

何が何でも、と言う人も、後を絶たなかった事が、ルミに後になって知らされた。


 最後に ルミが舞台に沙霧の育ての両親 長谷川さんの娘二人と、

前妻の母ロザリオが紹介され、幕が下りた。


 やはり、二人の娘 特に姉の方が紹介された時、

ウオーと言う声が一段とすごかった。

 彼女は日本語が殆ど喋れず、英語で感謝の言葉を述べた。


おそらく、そこにいた報道関係者、プロダクションの連中は、

彼女の調査を開始するだろう。

 何しろ、スタイル、顔 今をときめくトップ女優の E.S. にかなり似ている、

どちらかというと彼女より背が高いだろう。


 ルミは舞台から拓哉を探したが見つからなかった。

懸命に探したのだが。

でも、きっと見ていてくれただろう。

沙霧の追悼コンサートなのだから。


それに、沙霧にそっくりの娘がいるから・・・・、

それは、もしかすると拓哉にとって酷な事かも、

そんな事を考えて、拓哉があの時、涙を流してくれた、

まるで、母親に抱かれているような気持ちにといってくれた曲、

拓哉に精一杯の愛を込めて唄った。


きっと、聞いていてくれただろう。

心の中で、あの時を思い出して、心の限りに唄った。 

きっと、聞いていてくれた!


そう確信するルミ!


Cap-23 ファインダー越しに恋して  Fin

          

See you later     Nozomi Asami


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