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19-無謀にも沙霧ルミを探しに・・・

19-無謀にも沙霧ルミを探しに・・・


捜索を続ける拓哉、

「あっ!」

そこで、塩くれ場の崖下20メートル下で、人が倒れているのを発見。

その場所と、現状をホテルに、連絡する。


「拓哉です、崖下におそらく長谷川さんと思われる人を確認!」

「応援、頼む!」

「沙霧は?」

 「沙霧さんは、ルミさんを探しに先程、出て行かれました!」


「えっ、沙霧が捜索に出た!」

「何と言う事だ!」

「なぜ,止めなかった!」かなり怒りの拓哉

 「どうしても、探しに行くと、言って・・・」

「・・・・」

 「止めたのですが!」


 何と言う事だ、とんでもない事になる!

それは、自殺行為に等しい、あの身体で、人に悟られないように・・・・

 無理だ、無理だ、と言っても沙霧の体のことは誰も知らない、

唯一知っているのは他には、長谷川さんぐらいだろう、その長谷川さんも・・・


 今、成すすべもなく、崖下を見下ろす、拓哉、嫌な予感がかけ巡る。


長谷川さんが発見された!

塩くれ場の崖下20メートル下を、覗き込み応援を待つ。

やっと、応援がかけつけた。

拓哉と応援の人達とでロープで降りてみると、

長谷川さんの背中に大きな石が乗っていた。


 必死でそれをどけてみると、血が服から滲み出しており、

雨の力で広がり、身体の下のほうは、血液で溢れていた。

おそらく転げ落ち、その上に大きな石が乗ってしまったのだろう。

身動きがとれず、携帯で連絡も出来ず、一人寂しく死んでしまったと思われる。

伸びた手の近くには、雨にぬれた携帯が転がっていた。


 拓哉は、その場を彼らに任せ、また再び捜索を開始した、

今度は女性二人、一刻の猶予もままならない。

先ほどの長谷川さんの様に、滑り落ちている場合より、捜索は難航する。


 ルミ、生きていてくれ、お願いだ!

そして沙霧、君の気持ちは痛いほどわかる!

決して、無理をするなよ!


携帯を取り出し、沙霧にコールする

 「はい!」

「おい、沙霧、何故だ!」

 「ごめんなさい!」

 「私・・・、私、じっとしていられなくて?」

「その気持ち、痛いほどわかる、わかるが?」

 「本当にごめんなさい!」

「もう、いい!」「わかった!」

「場所はどの変だ?」

 「よくわからない、でも東側から捜索しています!」

「いいか、良く聞け!」

「携帯の、予備電源は!」

 「いいえ!」


「何と言う事だ・・・ 切れ者のお前が・・・・」

「そうですね? 私、どうかしている・・・」

「よし、わかった、無駄な電力消費はよそう」

「あっ、その前に君の携帯GPS付いているのか?」

「いいえ、付いていません、でもルミさんの携帯は、付いているはずです!」

「しかし、ルミの電源 OFF だ!」

「もういい、切るぞ!」

「はい、ごめんなさい!」

「東側からだな?」

「はい!」

「何かあったら連絡いれろ、それと携帯、雨に濡らさない様に!」


 拓哉は、沙霧との携帯を切った。そして沙霧の後を追うように東側に向った。

拓哉は、当然方位磁石と、5万分の1の地図を、持っている。

 懐中電灯も、だ!  

出発前に全て、車に用意していた、雨具 その他の装備も!


 沙霧の気持ち、痛いほどわかる、あれだけ冷静沈着な彼女も今は、

普通の女、早く探さねば、沙霧自身の身も心配だ。


 天候も回復の兆しが無い!

逆に酷くなっているようだ。

そのためヘリの捜索は視界が悪すぎてだめと言う知らせと、

地元からの応援の捜索隊も、崖が崩れ危険な箇所が多く、

なかなか近づけないでいる。

と言う知らせが携帯にもたらされた。


いよいよ、危険な事態に遭遇してしまった。

拓哉自身、身体が冷え切って少し体力の消耗も出ている。

しかし,拓哉はそんな事は彼の気力で完全に打ち消す。

絶対に助ける、もう二度とあの様な悲しい出来事には、

させないと強く誓っている。


拓哉、心配して沙霧に携帯で連絡

「沙霧 どうだ?!」

―・―・――・――・-

少しのタイムラグ

「はい、まだ見つかりません!」

「すいません !」

「何故 誤る 君は悪くない!」

「悪いのは・・・・、俺だ・・・・」

 「いいえ、私・・・」

「少し、元気が無いな!」

 「いいえ、そんな事・・・」

かすかに聞き取れるような弱い声

「おい、大丈夫か!」

 「・・・は・・い 」

「今どの辺だ?」

 「えーと・・・・」

 「熱い・・・!」

「えっ、熱い、熱いのか?」

 「・・・・」

「おい、熱があるのか・・・」

 「ぅぅ・・・」

「あっ、・・・ル・・・」

 「えっ、ルミがいたのか?」

 「おい、沙霧、 ルミは・・・・」

  「・・・ ・・・」 


 拓哉! 走る 走る 走る 転ぶ、 

立ち上がる また転ぶ、 とにかく、まえに懸命に進む

一刻も早く、何処にいる、 

“沙霧” “沙霧” “ルミ”“ルミ・・・―ィ”

  叫ぶ、 叫ぶ 声の限りに・・・


 懸命に前に進む、強い雨の中 強い風の中・・・・

また倒れる、足元の草に足がもつれ、風にも倒され・・・

身体はもうふらふら、懸命の力を振り絞って・・・・

拓哉、もう、力でなく気力で・・・・


 どれほど前に進んだのだろう、 かすかに眼下に・・・・

転げるように、急斜面を駆け下り、人影か ・・・・、 


Cap-19 ファインダー越しに恋して  Fin

          

See you later     Nozomi Asami





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