あの日をなぞって。朝~立成18年12月6日
「うぅ……」
「ほら望乃夏,そんなとこでモジモジしてないで」
「だ,だってぇ……恥ずかしいよこんなの……」
「あら,似合うわよ?でももうちょっと彩りが欲しいわね……」
「も,もうやめてぇ……」
現在,ボクは雪乃に着せ替え人形にされている。
どうしてこうなった………
ボクは朝のことを思い出す。
「ごめん雪乃ぉぉぉぉぉぉ」
「わかったから頭上げなさいよ……」
現在ボクは床のカーペットにひれ伏して土下座中。なぜならそれは,
「だって雪乃の誕生日忘れてたんだよ?それだけでももう……」
「いいわよ,どうせクリスマスだって近いんだし,その時にまとめて付き合ってもらえばそれでいいわ」
「いや,クリスマスはクリスマスでちゃんと埋め合わせするから……」
「ほんとにいいの?こう言っておいてあれだけど,望乃夏が身を持ち崩したら元も子もないわよ」
「それは大丈夫……ともかく,お詫びに今日は雪乃の言うことなんでも聞くから」
「ふぅん?」
雪乃の目が怪しく光る。ひぃぃっ!?
「な,何でもとは言ったけど……や,やっぱあんまり変なのはナシで……」
「そうね……なら望乃夏,まず脱ぎなさい」
「えぇぇぇぇぇぇ!?」
やっぱりそうなるの!?
「わ,わかった………」
うぅ……昨日もっとよく念入りに身体洗っとけばよかった………匂ったりしないかな……
「ちょ,ちょっとなんで裸になろうとするの!?」
「え?」
真ん中から外そうとブラに手をかけたところで雪乃が服を投げてくる。
「あ,朝っぱらからしないわよ!? 望乃夏のエッチ!!」
「そ,それはこっちのセリフだよっ!!いきなり脱げだなんていわれたらこうなるに決まってるでしょ!!!!」
「私はただ着替えなさいって言っただけなのに…」
「最初っからそういえばいいのに……」
あーあ……期待して損し……いやなんでもない,うん。
「あ,今日はこれを着てほしいわ」
「ん?」
雪乃が見せてきた携帯の画面を覗くと,
「おや懐かしいね,初めてお出かけしたときのだ」
「そうね,今日はこのルートをたどりたいなって」
「あ,でもこの時のやつはもう着れないなぁ。あの時はガリガリだったけど今は少しとはいえ成長したし」
「そ,そうなの……」
一気にしょぼんとする雪乃。そういえば雪乃の服もあの時のと同じの……いや,よく見たらスカートがワンサイズ上のものになってる?やっぱり雪乃も太
「望乃夏,何を考えてるのかしら?」
……成長したんだね,うん。
「代わりに似たような服探すね」
「そ,そうね……」
目に見えて雪乃が凹んでる。……そんなに落ち込むことないのに。
「さ,着終わったらメイクするわよ。こっち向きなさい」
言うが早いか雪乃によって顔をパフでぱふぱふされ,ラインやチークもぬりぬりされる。とはいえいまだにコレ慣れないんだよねぇ……
「さ,できたわ。後は私も」
「あ,それボクやりたい」
雪乃から一式ひったくると,お返しとばかりに雪乃のもちもちなほっぺをぱふぱふし始める。えーと,ここはこうして……
「望乃夏,ラクガキしたら許さないわよ?」
「わ,わかってるよ……」
なんでバレたんだろ……
なんでかまだ続くんですよね




