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望乃夏のとなりで。―雪乃

ゆきのんの作り手にかわいい有里紗ちゃん投げたらきれいなゆきのん(?)が帰ってきた。

ふと目を開けると、そこには望乃夏の緩みきった寝顔。冬場の早朝にしては明るいカーテンを見て、ため息をつく。


「もう、……望乃夏のせいで、寝坊しちゃったじゃない」


その声に答える人はいない、いるとしても、……今はすやすやと寝息を立てている、昨日の夜、散々私を寝かせなくした張本人。そのくせ、コトが終わるとすぐ寝ちゃうんだから。

今から朝練に行ったって、とっくに遅刻だろうな。そもそも、突然望乃夏が襲ってきたから、目覚ましを掛けられなかったし。

どうしようかな、私も、二度寝しちゃおうかしら。隣であまりにも気持ちよさそうに寝てる姿が羨ましいっていうのも、ちょっとだけあるけれど。

普段望乃夏を起こす少し前の時間に目覚ましをかけようと、ベッドサイドに置かれた携帯に手を伸ばして、……その腕が、白い素肌を惜しげもなく晒して、昨日の夜のコトを思い出して、頭の中がその熱で今更また溶けそうになる。

……思い出しただけで赤くなりそうな記憶を慌てて振り払って、目覚ましをかける。サイドテーブルに置く。

そのまま布団に潜り込もうとして、望乃夏の肩口が、布団からはみ出してるのに気づく。そこもやっぱり真っ白な肌が晒されている。もう、このままじゃ風邪ひくわよ?前に私が風邪をひいたときに看病されたから、それのお返しをするのもいいかもしれないけど。呆れながら布団をかけなおしていると。


「んぅ……ゆきの?」

「望乃夏……、起こしちゃった?」


いつもよりも甘い口調で、私の名前を呼んでくる。昨日の夜も、そんなふうで、ちょっぴりゾクっとする。まだ、望乃夏が起きるには早すぎる時間。起こすのは悪いし、……何より、変なスイッチでも入れちゃったら、それこそ学校にも遅刻してしまう。

そんな心配をよそに、望乃夏の唇は、またゆったりと寝息を立てる。寝言にしても、……私の夢、見てくれてるのかな。だとしたら、嬉しいな。だって、夢の中でも、私のことを想ってるってことなんだから。

浮かれてしまった頭を落ち着かせようと、頭から布団に潜り込む。一緒に寝ちゃおうかな、の誘惑に逆らえるほど、私は強い人間じゃなかったみたいだ。そのまま抱きついた体は私より細くて、すぐ壊れてしまいそうなのに、柔らかくて、あったかい。あの時以来、もうないと思ってた人の温もりを教えてくれた人。その温もりは、いつだって優しく私を包んでくれる。

もう、いいよね、……おやすみ、望乃夏。ゆっくりと、眠気と怠惰に溶けていく。

作:しっちぃらしい

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