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夢の現実


    ーーーー


ふと、辺りを見回すとソコはとても懐かしい場所だった


はて?俺はウンディーネ達を襲う奴を倒したはず......だが?

なんで日本にいるんだ?


辺りには木々、しかしむこうに見えるのは紛れもなく自分がかつて住んでいた町だった

あまり思い出したくない、自分が死んだ交差点も見える

そして、おそらくこの場所は、町のはずれにある少し大きな山だろうか


ここが夢の中というのは考えにくい

そう、なぜか俺の頬を触る風が暖かく、それでいて心地よい

そもそも、土の匂い、草の匂い、空気のキレイな山の匂い

全てが本物だと主張している


時刻はおそらく夕方だろうか、微かにカレーライスの匂いが漂ってくる

匂いは...あそこ、一番ここから近い赤い屋根の家だろう

カレーは一年以上も食べていないのでヨダレが口からこぼれる

比喩ではなくマジでこぼれたのであわてて拭う


    ーーーー


どうやらここは現実のようだ

なんでって?もちろん自分の頬を殴ったからだよ

いやぁマジ痛かった!

あれだけ痛かったなら現実だ!


さてと、無性に親達に会いたくなった、ついでにいつも俺を怒っていた体育教師にも

会うだけならまだいい

一つだけ難点があってねぇ

言うよ、言っちゃうよ?

ジャジャジャジャジャジャジャジャ、じゃん!

俺、エリスの姿なんだけど、ついでにいうと血まみれのワンピース着て、剣を腰に装備中!

傷は治ってるけど......これ普通に捕まるよねぇ…困ったよ

まずはこの状況をなんとかしないと.........




よっしゃあ!!魔法が使えるぜ!

え?ここは日本でしょ?って思っているあなた!いいこと教えてあげよう!

まず、魔法金属ってどうやって作るか知ってる?

作り方は簡単!魔力、精霊の沢山あるところに置いてほっとくだけ!まあ普通は10年くらいは最低でもかかるけど

仕組みはさらに簡単!大地の精霊とか水の精霊、火の精霊ほかにも風とか闇とかもあるけど勝手に金属にそいつらが移る、そんでそいつらが魔力をそこらから奪う

それだけなのだ!


んで、なにが言いたいかとゆーと俺の剣がウンディーネの里っていう高魔力地帯にいたせいでなんかめっちゃ早く魔法金属化したわけ


それと魔法って人間だけじゃあ使えないんだよ

じゃあどうして魔法が使えるかというと魔力の操作が可能な精霊さんに手伝って貰ってるわけ

つまり、魔力があれば、精霊がいれば、どんな奴でも魔法が使えるのだ!

そんなわけで、精霊のいない地球じゃ魔法が使えないのさ


あ、神聖魔法はまた別だけど


魔力は俺の体内、精霊は剣の中、ほら!使えるぜ!魔法!俺って天才!


さっそくワンピースを脱ぎ土魔法で作った桶に入れる

ここでお巡りさんに捕まるかもしれないがまあ山なので大丈夫だろう

水魔法で水を出し洗う

ごーしごーしごーし、ごしごしごしごしごしごしごしごしごし..................


うおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!

疲れた!

石鹸がないので苦労した!

マジで落ちにくいわ!

あー、もうやりたくねぇ

とりあえず、濡れたままだとイヤなので、風魔法&火魔法で熱風を作り瞬時に乾燥させる

最後に火魔法で熱を作り殺菌


こうして、俺の(アッチーが持ってきた)ワンピースは新品同様、めちゃくちゃ綺麗になった


さすがに剣を持っているのはまずいので穴を掘り埋める

これで俺は今のところ魔法が使えなくなってしまったがまあいいさ


では、一年ぶりの我が故郷、楽しみますか!


    ーーーー


最初に異変にきずいたのはコンビニでのことだった

家までの道のりにコンビニがあった

ジャ○プで、連載中のマンガの続きが気になったので立ち読みしようとしコンビニに入ろうとしたところ

自動ドアが開かなかったのだ、強引に開けて入って店員さんにドアが壊れていると伝えようとしたところ

何を話しかけても反応がない、まるで俺がいないかのように.........


俺は焦った、やな予感が頭をよぎる


走って家まで行き、玄関の花壇の下に隠してある鍵を使い家に入る、入って右側、リビングに母がいた

父は会社に行っているのだろう、見当たらなかった


母は随分とやつれていた、話しかけたが......やはり返事はなかった

どうにか母と話をしたかった、死んでも違う世界で元気にやってたんだよって伝えたかった

伝わらない、どうあがいても無理だと悟り、せめて温もりだけでもと思ったが



母に触れることはできなかった

手はすり抜けた



無性に悲しくなってきた、嫌だと思っていたこの世界だが、大切な者がいることに今さら気づいて......

それなのに、気づいたあとも、目の前にいるのに触れない、悲しさだけがわき出てくる


悲しさがあふれ、涙が次々に出てくる


涙は止まらなかった


なんで、俺はこの世界で生きていないんだ


なんで、俺は死んでも、のこのこと違う世界で生きているんだ


なんで、俺はもっと、親に親切にしなかったのか


なんで、こんな、こ、んな、悲しいいまがあるのか


なんで、


ふと、声が聞こえた


「やはりあなたも悲しんでいるのね、私はあなたが心の奥底で会いたいと、戻りたいと、そう願っていたから、少しだけでもと思い、叶えてあげたのに......やはりこの世界はダメなんだ.........」


目の前に、銀髪の美少女がいた

町中で出会ったら100人中、100人が振り向くであろう


俺は悲しみに暮れ、心はぼろぼろになっていたところに出てきたソイツを見て......少しだけ心が癒される

それでも心にポッカリと空いた穴は塞がりやしない


たった一年、たった一年なのに、こんなにも悲しく、寂しく、.........

俺は一人っ子だったのでよく母に遊んで貰ったなと思い出す

思い出すほど寂しく、悲しくなっていくのに


とりあえず、これ以上悲しくなるのを避けるため、切り替える

こっちへ来てといい、自分の部屋へ案内する

久しぶりに入った自分の部屋は綺麗だった

ホコリ一つもついていない

母の行動にまた涙が出るがなんとか抑える


「あのな、俺は、.........すぐに心が折れる...弱い奴なんだ......」

「いいえ、あなたはとても心が強い、私が一番よく解ってる、あなたは幾度の困難を乗り越え、挙げ句には種族を救うなどということも成し遂げた」

銀髪美少女が慰めるように話しかけてくる

「でもっ......俺は...弱いんだよ...強がって、見栄はって、踏ん張っても、結局エリスっていう殻に込もっているだけ」

「いいえ、あなたは強いよ、むしろ、弱いのは私の方だ、私はね殻すらない、そのまま、弱い自分しかないんだよ、逃げることも許されずここから出ることも出来ない」

少女やがて一息置いて語り始める

「まずは、この世界について少しだけ話してあげるよ...この世界はね、いわゆる走馬灯が具現化したようなもの、なんだよ、でも走馬灯とは大きく違う点が一つある......走馬灯は死にかけたときにどうにか生きようと、死なないようにと記憶をたどり対策をしようとしてうかぶんだ、でもこれは違う、これは、この世界は一種の現実、死にかけの人に、これから死ぬ人に神様からのプレゼントなんだ...それも、残酷な......最初に神様は死ぬ前によい思いでを、とこの世界を人間にプレゼントしたんだ............でも、それは間違いだったんだ、喜ぶ人は本当に一握りだった、大切な者に伝わらない言葉、大切な者に触れられないもどかしさ、この世界で悲しむ人がほとんどなんだよ、もちろんこんな世界もう壊そうと神様は思った、でも壊せなかった...この世界は死にかけの人の意思で造られる、つまり死者が無くならない限り、この世界は壊せないんだよ、そして私もこの世界を出られない、出るにはよりしろが必要なんだ」


そして言い終わると付け加えるように呟いた

「そして、その世界を造ったのは、私なんだ......」と

そして「私は泣いたんだ、何年も、何年も泣いた、涙を一切流さず、いつでも強気でいて、心の弱い人を助けるっていう慈愛の神エリスは、ただ単に、涙を流しすぎて枯れてしまったからなんだよ」ともう一つ付け加える

やがてさっきの悲しさを忘れたように笑顔になり

「でも!もうこの世界を壊せるんだ!君がいるおかげで!君がのぞめば!」


は?

え~と、壊せないから悲しんでなかったっけ?

言っている意味が......


疑問はすぐに解けたエリス(女神)が興奮気味に説明してくれた


なんか話がながったらしくわかりずらかったので要約すると


こんな感じ


この世界、神様が管理しなきゃいけない

この世界、管理者がいないと崩壊する

この世界、出る方法は死ぬか、生き返るか、(神様はよりしろに移り生き返るのみ)

この世界、生物に触れられない(そこまでやるのは神様の力を越えてるためできない)

ってのがこの世界の法則

んで、適合者にしかよりしろとして移れない

適合者は名前がおなじ顔が同じ、身長も同じというあり得ないようなものだが、実際に俺とエリス(女神)の姿が髪の毛の色を除いておなじなのだから可能

管理者がいないと消えるっていうのがあるから俺の身体に移ってもらい生き返ればこの世界は壊れるわけだ


そう、話していて気付いたがエリス(俺)とエリス(女神)はそっくりさんだった

なんか見たことあるような顔だなと思ってたら自分でした!


楽しく話すエリス(女神)を見てたら悲しさなんて吹き飛んだよ

それに、この世界は事実ではなく起こったかもしれない世界、つまり俺が想像した世界なのだ

なので案外母達は元気にやってるかもしれない、そう思うとずいぶん楽になった


さあ、もうくよくよしてないでさっそくこの世界を壊そうとおもう

若干、名残惜しいが仕方ない


いつか本物の母達に会えますようにと思いながらもすでに思考はさっそく準備をしようじゃないか!ってなっている


「んで、どうすんの?」

「こうするんだよ」と言いエリス(女神)が身体に入っていった

なんか、すーって

適当だなぁ


そして急に意識が遠退く、部屋がだんだん崩れていき......意識が途切れた


最後に「これから宜しくな」と聞こえた気がした


    ーーーー


次に目が覚めたのはまた洞窟の一室であった

隣に、アッチーがアサルトライフルを眺めているのが見える


その間抜け面を見たとたん心の奥底で新たな意識が芽生える

あー、恋とかじゃなくて、エリス(女神)の方な......


そしてかってに口が動き「いやったぁああああ!やっとだぁ!とうとう私は!かいほうされたぁあああああああああああああああああああああ!」と叫んだ


おいっ!勝手に喋るなよ!


あーあ、アッチーがめっちゃ驚いてるよ......


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