表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/127

第5話 やっぱ現実は最高だな!(3)

 た、ただの夢の話ですよ?

 なのに何でそんなにショックを受けるの?まさかアサウェルの話は…。

 オレはついに核心に迫ってみた。


「母さん、夢の世界に行った事があるの?」


「アサウェルに聞いたんでしょ…そうね、私も昔はそうだったの」


 まだオレが口に出してないのに母さんの口からアサウェルの言葉が…それはつまりあの夢の話は本当だと言う事だった。

 その後はこっちが質問しなくても母さんが自分から夢の話を続けてくれた。

 その話は普通の人が聞いても素直に納得出来ない話だった。

 自分が当事者になったからオレはちゃんと聞けるけど…。


「初めてあの夢の世界に私が迷い込んだのは15歳の頃ね。初めは右も左も分からなくて…」


「…」


「それで困っているところを父さんに助けられたの。私は一瞬で恋に落ちた…」


「みんな本当だったんだ」


「きっと誰も信じてくれないわよね」


 そう言って母さんは笑った。

 その笑顔はどこか寂しげなものだった。

 ネットで父の経歴が謎だって話題になった事があったけどこんな話誰も信じられないだろうな。


「あの人が現実世界に現れた時はびっくりしたわ…まさか夢が現実になるなんて」


「不思議な話だよね…でもそのお陰でオレがいる訳だし…」


「多分お母さんね…その時に力を使い果たしちゃったんだ…あれからもうあの夢の世界に行けなくなっちゃった」


 母さんの話によると母さんの力で父さんを現実世界に連れてきたらしい。

 母さん自身どんな理屈でそんな事が出来たのかよく分からないらしいんだけど…。

 取り敢えずこれで謎は全て解けた…かな?


「母さんこう見えて夢の中じゃ結構強かったんだから」


「そう…なんだ」


「お父さんとアサウェルと3人であの世界の悪を倒しまくったの…懐かしいな」


 現実世界では天然の母さんも夢の中では結構武闘派だったらしい。

 夢の世界の武勇伝をオレに話す母さんはとても楽しそうだった。

 その様子を見ているだけでこの話が作り話じゃない事はしっかりオレに伝わってきた。


 今明かされた我が家の真実は本当にとんでもないものだった。

 そんな血を引いているからこそオレはあの世界に導かれたのか…。

 母さんの話聞いている内にオレが父の敵を討つ流れは必然のようにすら思えてきた。

 でも夢の中でさえヘタレだったオレにそんな大それた事は出来るだろうか…。


「もうあなたはあの夢の世界に行けるようになったんでしょ?アサウェルによろしくね!」


「あ…うん」


「しっかり彼に鍛えてもらいなさいよ!」


 母さんはそう言ってオレの肩を軽くたたいた。

 その応援にこれからもしっかり頑張らなくちゃなって思ったりして…。

 単純だな…オレって(汗)。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ