第27話 立ち塞がる壁(2)
本当、女子の考えはよく分からないや。
てくてくとお店のある方に歩きながら僕は周りを見回していた。
このエリアに入ってから特に敵と言う敵に出会っていない。
今まで戦いが多かったからここまで襲撃に遭わないと何か不安になってくる。
見上げればいい天気で青空が眩しいし何だか調子狂っちゃうな。
そのお店は見れば見るほど海の家っぽかった。
近付くほどにそれは確信に近いものになっていた。
さすがに浮き輪やゴムボートは売ってなさそうだけど…。
その代わり美味しい匂いが漂ってくる。
この香ばしい匂いは…焼きそばかな?
ますます海の家だよこりゃ。
「何だかお腹が空いてくるね」
レイがそう言って笑う。
そう言われるとオレも何だかお腹が空いてくる。
折角だし店についたら何か食べようかな。
じゅう~。
匂いに続いてついに音まで聞こえて来た。
鉄板で麺を焼くあの独自の音がお腹を刺激していた。
ぐぅ~。
「お!ヒロトのお腹が反応してる!」
「う、うるさいなっ!」
レイにお腹の音を指摘されてオレは恥ずかしくなった。
何で夢の中でお腹が空いたりするんだ…。
お腹を刺激する音と匂いの刺激で歩くスピードは心なしか早くなっていた。
最早オレの頭の中は焼きそばとかラーメンとか海の家の定番メニューで埋め尽くされていた。
「お!いらっしゃい♪」
ついにオレ達はお店に辿り着いてしまった。
ここまで来たらもう引き返す事は出来ない。
店番をしていたのは気のいい兄ちゃんだった。
最初は少し罠を疑っていたけどこの兄ちゃんの顔を見るととてもそんな風には見えなかった。
「まぁまぁ座ってよ♪注文が決まったら教えてくれよな!」
オレ達は促されるようにこのお店の店内へ。
メニューがずらっと壁に張り出されている。
うん、典型的な昔懐かしい海の家だな。
でも何でこんな場所に店を出しているんだ…。
「どうする?」
レイがオレに訪ねて来た。
「うん…特に怪しいところはないみたいだけど…」
「そうじゃなくて座る場所を聞いてるの!」
レイはすっかりお腹を満たす事しか頭にないみたいだ。
オレは意識のズレにちょっと頭を抱えたけどすぐに頭を切り替える事にした。
これが罠だったとして…その時はその時で見極めればいいか。
「あ、じゃあここに座る?」
「分かった」
椅子に座ったレイはずっとメニューを眺めてる。
こう言うお店ってなんであんなにメニューが多いんだろうね。
オレもレイに習ってメニューを決める事にした。
「えーと、それじゃあ焼きそば!」
「私はラーメンで!」
「焼きそばとラーメンね!有難うございます!」
オレは注文した料理が出来るまでこの店の雰囲気を確認していた。




