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第26話 忘れ去られた研究所

 建物に入って一番最初にオレ達を出迎えてくれたのは立派なエントランス。

 正面には何やら意味ありげな大きな絵が飾ってある。

 な、何だこれ…余りにも雰囲気が出来過ぎている…。

 この瞬間雷が鳴ったらオレだってちびっちゃう自信があるよ…(汗)。

 玄関には人の気配も明かりもなくてただ不気味な雰囲気が漂うばかり。

 オレ達はとりあえず足音を立てないように静かに各部屋を探索していく。

 レイが怖がってオレにピッタリくっついてきてるのでちょっと歩きにくい。


「すみませーん、誰かいませんかー…」


 この不気味な雰囲気も相まってオレは思わず小声になる。


 ガチャ。


 オレが開けた部屋は書斎…なのかな?

 立派な本棚に机に椅子。とてもシンプルだ。


「へぇ~」


 もうかなり外が暗くなっていたのでここにある本を読むのはもう無理っぽい。

 明かりがあればいいんだけどそれらしきものは見当たらない。

 本の背表紙を見ると伝説とか人形とか…魔導書…とか?

 ここの元住民の趣味が分かって面白い。


「後で暇潰しに読んでみようかな」


 そう言ってオレが本棚に触ろうとしたところ、レイがそれを止める。


「ダメよっ!」


「え?」


「か、勝手に人の家の持ち物を持ち出すだなんて!」


 余りにレイが本気で怒っているのでオレは本棚に触ろうとした手を下ろした。


「それに、その本を読んで呪われたらどうするつもりよ…」


 あ、レイの心配はそっち方面でしたか…。

 ちょっと顔を背けて頬を赤く染めながら恥ずかしそうにそう言ったレイの仕草はちょっと新鮮だった。

 本当、レイの怖がりは可愛いなぁ。


「呪いなんてないって」


 怖がるレイにオレはそう言って元気付ける。


「べ、別に怖いとかそんなんじゃないんだから!もしそうなったら大変だから!」


 それがレイの精一杯の強がりなのは見ただけで分かる。

 オレはその彼女の様子を見て微笑ましいものを感じていた。


「分かったよ、取り敢えず本格的に暗くなる前にベッドのある部屋を探そう」


「そ、そうね…こんな雰囲気だとちょっといい夢は見られそうになさそうだけど…」


 オレ達はこの書斎を出て次の部屋へ…。


 ガチャ。


 この部屋は…何もないな…。

 床に絨毯は敷かれてはいるもののただそれだけだ。

 以前は何か置いてあったのか所々何かがあった形跡はある。


「ここで寝る?」


 オレはいたずらっぽく笑いながら真後ろのレイに聞いてみた。


「ちょ、いくらなんでもここは…っ!」


 いきなり話を振られて焦りまくるレイ。

 オレは彼女のその表情を十分楽しんでから答える。


「冗談だよ」


「な、何よー!」


 レイがオレの肩をぽかぽかと殴る。

 本当、こう言う時の彼女をからかうのは楽しいなぁ。

 ホラーな雰囲気じゃないとこうはならないだろうからしばらくこの状況を楽しもうw

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