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第2話 父親の真実(2)

 勿論アニメとかのお約束じゃこの隙を敵がつく事はない。

 この時、これは自分の夢だから自分が自由に出来ると油断していたんだ。


「いけません!敵から目をそらしては!」


「へ…?」


 ドゴオッ!


 へぶしっ!


 不意打ち…オレは敵の攻撃を受けてふっとばされてしまった。

 な、なんて重い蹴りなんだ…って言うか衝撃を感じたんだけど…えっと…これ本当に夢なの?


「何だ雑魚か」


 オレに向かって敵が吐き捨てるように言う。

 この言葉にオレはカチンと来たね!

 この夢の主人公の力を舐めないで頂こうか!


 …って意気込んでは見たけど…アレ、体が動かない…体中が痛い。

 何これ?ダメージ半端ないんですけど?夢…なんだよね?


 お、お、お…


 おええええ…


 オレは敵の一撃を食らって動けないどころかついに吐いてしまった。

 何だこれ…夢の中とは言えちょっとリアル過ぎだろ…。

 しかし何て情けないんだ…トホホ…まさか夢の中でも役立たずだなんて。


「この程度なら我らの敵ではないな…」


「ヒロト!」


 何だよ人形のおっさん…おっさんまでそんな目で見るのかよ…。

 そうだよどうせオレは夢の中でもヘタレだよ。

 それでこのまま意識がフェードアウトして夢から覚めるんだな…お約束じゃん。


「安心しろ…次の一撃で楽に地獄に送ってやる」


 あれ?敵のオニーサンがゆっくり…近づいて…くるよ?

 そんでもって一向に夢から覚めませんよ?これは何事?まだ続くって事?

 って事は…もしかしてオレ…もっと痛い目を見ちゃうって事?


「うぐ…ちょっ…待っ…」


 敵のオニーサンは容赦なく拳を振り上げている。それはまさに殺し慣れた動作だった。

 ああ、ここで死ぬんだなとオレは思った。夢の中なのに。


 って言うかここまでリアルって事はもしかしてここは夢の中じゃない?

 夢の中に見せかけた異世界?…もしそうだとしたらここでの死は本物の死っ?嘘…だろ…?


「フゥンッ!」


 敵の腰の入った重厚な拳がオレに迫る!

 オレはただうずくまり自分の身を守るしかなかった。


 バキッ!


 死んだ!オレここで死んだ!

 オレの人生ここで終わりましたー!


 …ってあれ?


「…え?」


 死んでない!死んでないよ兄さん!(誰?)

 やっぱり夢だから主人公補正かな?


 って状況をよく見ると違っていた。


 ドゴォッ!


 ふっとばされたのは敵の方だった。

 え?何が起こったかだって?

 そう、敵に追われていたはずのあの人形のおっさんが逆に敵を倒したんだ。

 えーと確か名前はアルベルト…じゃなかった?アサ何とか!


「おっさんすごいな…」


「おっさんではありません、アサウェルです…しかし君がここまで使えないとは…正直失望しました」


 オレは人形のおっさん…もといアサウェルに思いっきり悲観されてしまった。

 夢の中でもこんな扱いだなんて何てついてないんだ…。

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