第38話 最後の戦い 前編(3)
その瞬間、部屋が異空間に包まれる。
何かこの雰囲気、RPGのラスボスとの戦闘みたいだ。
「龍石波動弾!」
エアマスターはそう言ってどこからか隕石群を召喚する!
そしてエアマスターに召喚された無数の隕石がオレ達を襲う!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!
「絶対防御!」
その攻撃に対してレイがすぐに反応して防御シールドを張る!
ドンッ!ドンッ!
このレイのシールドに弾かれオレ達は事なきを得た。
しかしこのシールド、いつまで持つだろう。
シールドで守られている間はこっちからも攻撃出来ない。
持久戦になれば結局メアマスターの方が有利になるだろう。
ドンッ!ドンッ!
「うっ…くぅ…」
シールドに隕石がぶつかる度にレイの顔が苦痛に歪む。
きっとこのシールドを張り続けるのにもかなりの力を消費してしまうんだろう。
早く…早く何とかしないと…。
(闇を光に転写…)
オレはこの時、父さんからの伝言を思い出していた。
もしかしたらあの言葉はこの場面で役に立つのかも?
バッ!
オレはレイのシールドに守られながら懐から城の地図を出して広げて空に掲げた。
……。
…しかし何も起こらなかった。
どうやらこの本はここで使う訳ではなさそうだ。
「何やってんの?」
オレの行動にレイが呆れたような顔で言う。
「いや、ここで使うのかなって」
「見事に山が外れたね…」
う…レイの憐れむような視線が痛い…。
まだまだメアマスターの隕石攻撃は続く。
こいつ…一体どれだけの隕石を召喚するつもりなんだ…。
ドンッ!ドンッ!
「うう…っ!」
隕石の攻撃を全て弾き返しているレイがかなり辛そうになって来ている…。
これは…あんまり悠長に構えている場合じゃないな。
オレは何とかこの膠着状態の突破口を探した。
今のメアマスターをよく観察してみれば今のヤツは隙だらけだ。
落ちてくる無数の隕石を避けて近付ければ難なく攻撃を当てられるような気がする。
失敗したら隕石の餌食になりかねないけど…ここはやるしかない!
オレは落ちる隕石の流れを見極める。
そして一瞬の隙を発見!今だ!今しかない!
「うおおおっ!」
オレは自身の技で一番のスピードを誇る流星の技で突っ込んだ!
この技なら落ちてくる隕石の中を縫ってメアマスターに攻撃を当てられる!
「流星狼牙突!」
これはその名の通り流れ星が空を落ちるようなスピードで一気に敵に接近して攻撃を放つ技だ。




