表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
110/127

第36話 託された想い 前編

「おかしい…ここにも誰もいない」


 将軍を倒したオレ達はその後も城内をウロウロしていた。

 地図を手に入れてそれっぽい場所へ行ってみるのだけど

 どこにもメアマスターの姿はなく…ただ無人の部屋が続くだけ。

 とうとう地上の階は全部探し尽くしてしまった。


 残る場所は地下。

 そんな訳でオレ達は城の地下へと向かっていた。

 こう言う城の地下の定番は怪しい祭儀場と牢屋って決まっている。

 この城の地図にもそう言った系の部屋が地下にあると記されていた。


「地下にもいなかったら…逃げたって事になるのかな?」


「だとしたら旅はまだまだ続くね」


 旅が続く事…それはいい事なのか、それともそうでないのか…。

 今のオレにはまるで実感が沸かなかった。

 そう言うのはきっと全て終わった後に実感するものなんだろうな。


 地下に続く隠された階段も地図のおかげであっさり発見。

 さあ、禁断の地下へと早速踏み込もう。


 カツ、カツ、カツ、カツ…。


 地下に続く階段に足を踏み入れた途端、オレ達の足音が異常に響く。

 地下は仄暗く何の音もしない静寂の世界。

 ある種派手だった城の地上部分との明らかな違いにオレは戸惑っていた。


 明かりはない事もないけど必要最低限でそれはろうそくのような明るさの

 弱い光が壁に備え付けられた不思議な装置から発生していた。


「ふっ!」


 この光、ろうそくと違って吹いても消える事はなさそうだ。


「何遊んでるの?」


 光を確かめただけなのにレイに怒られてしまった。

 確かにこれで光が消えてしまったら暗くて足を踏み外してしまうかも。

 好奇心を満たすのもほどほどにしないとね。


 すごくそれっぽい雰囲気の石段を降りてオレ達は無事地下一階に辿り着いた。

 ここで一番怪しいのはこの階で一番広い場所、儀式の間だろう。

 とりあえずオレ達はそこに向かう事にした。

 

「しかし、本当に不気味だな」


「城の地上階は悪夢の城って雰囲気じゃなかったけど地下はマジで悪夢って感じ」


 二人でそう話していると儀式の間が近付いて来た。

 目の前のその部屋の扉は固く閉ざされている。

 ただ、開けようとすると意外にも簡単にその扉は開いた。


 ギィィィィ。


 城の地下に広がる儀式の間。

 そこはさすがに怪しい装飾で満たされていた。

 儀式の間はかなり広く…例えるなら野球場くらいはあるだろうか。

 おぞましい姿の魔物の彫像や床にはびっしりと怪しげな魔法陣のような装飾がなされている。

 ただこの場所にいるだけで精神が負の感情に侵されるようなそんな雰囲気だった。


「よく来たな!」


 儀式の間を見回していると聞き慣れた声がオレの耳に届く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ