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今際の夢  作者: lycoris
今はの夢
99/140

願いだけ

「待ってください!桂さん!」

「…」

少し離れた公園の前でやっと止まった。

「おばあちゃんとあなたは、一体、どういう御関係なんですか!?」

「…君はあの人のお孫さんだっけ?

さっきも言った通りただの教師とその生徒だよ。」

「昔の生徒…

ばあちゃんは昔、教師だったんですか?」

「知らないのか?」

「はい、自分が、物心つく頃には既にあそこで駄菓子屋をやってたはずです。」

「そうかぃ…」


いつのまにか公園のベンチに腰掛けて話していた。

「昔に話はしないのかい?」

「あんまり、ですね。

ばあちゃんの方からもしないので。」

「そうか。

昔、あの人に助けられたんだ、」

「…」

(おら)ぁ命も心も救われた。

だのにあの人は忘れちまったってよ。

報われないとはこの事よ。」

「何があったんですか?」

「。っはは。

さぁなぁ。

あの人が話さないなら。

忘れたって言うのなら。

忘れるさ。おれも。

忘れてくれ。」

 _「何があったんですか?_」

「お前も、か、

俺が年をとったのか、お前たちがそうなのか、

あまり年寄りを虐めないでくれぃ。」

震え声の桂さんは泣いていた。

それ以上は聞けなかった。

「俺ぁ…俺ぁ…

ただ…あの人に…」

肩を震わせて押し殺すように、

「忘れる、くらいなら、…。

生きてる、意味は。_は、

は、今際の際、

言ってくれた、、のに ̄はず」

発せられる支離滅裂な言葉の羅列。

「これが希望なのか?

絶望の先の、

いや、光が強すぎたんだ?

心だけを置いて、

この絶望は超えられない?

俺だけのものなのか、」

繋がらない。

繋げられない。

この感覚を知っている気がした。

知っているのに知らないのを知っている気がした。

何かがおかしい。

狂っている?

「あの人にはまだ?

見えているのだろうか、」

「誰を」

「修也を」

_「誰を!」

__「鈴木 修也 ̄を」

誰だ?忘れている、知っている。誰だ?

思い出せる、誰だ?を、聞いている。

「彼は」

「願いだけを」

「3つだけ」

「叶える神。」

「ただ」

「ただ「「願いだけを叶えるだけの神」」

神。


__,,,,そう名乗る男が俺の目の前に姿を現したのは、

冬休みが開けた頃、

タンスの角に小指をぶつけた時だった。______.,.,.,,,

たった3つ、3つだけ願いを叶えてやると、

男は言うと俺に付きまとった。

まるで本当の神かのように、

容易く俺の願いを叶えていった。

まるで本当の神かのように、

他の人間には見えていなかった。

疑いようはなかったが、

まるで本当に神なのか、彼は自分を『鈴木 修也』と名乗った。


狂ったのはきっとそれから。

狂っていたのはきっとそれから。

彼が狂っていたのは初めから。

だから彼は忘れて、

彼女は忘れたフリをしていた。


,,,,,,

「彼女が欲しい。」「金が欲しい。」

在り来たりな願いを叶えていった。

残る1つは、

「叶えられる願いを2つ増やす。」

それだけだった。

そうすればずぅっと願いを叶えてもらるから。

_

だから

_ここから狂い始めた。彼は。

そして。忘れてしまう、

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