駄菓子屋にて 4
駄菓子屋なだけあって、待ってる間に子供が入れ替わり立ち替わり、
その中に見知った顔があった。
「こんにちわ。蕨ちゃん」
「こんにちわー!」
「今日は1人?」
「うん、お父さん今日も仕事だから。」
「そう、おばあちゃんは居ないけどゆっくりして行きな。」
「おばあちゃんは何処に行ってたの?」
「病院だよ。」
「おばあちゃんは病気なの?」
「いいや、ただの健診だよ。」
「そうなんだー!」
そんな話をしてからしばらくして、
当人が帰ってきたようだ。
「帰ったよーぃ、望。
悪かったね、店番。」
「「こんにちわー」」
「あら、いらっしゃい。」
気まずそうにする桂さん。
緊張してるのが伝わってくる。
「あら、そちらの方は。」
「あの、お久「はじめまして?」
、…
「違いますよ、昔会ってます!」
どもる桂さんの代わりに強く否定する。
「あ、は、い。
昔、あなたの教え子だった、桂 吾郎です。」
「あー〜_ ̄?れ?。、?」
「桂くん?…」
「は、はい…!」
「やっぱり、」
「!!」
「ごめんなさいね、、どうしても忘れてしまったみたいで……」
誰が悪いわけじゃない。
「あ、ぁ、は。い、
失礼しました。
私は、これで、失礼しま、す」
「待っ「俺が行く!」
「なん!?」
追いかけようとした矢先、望に先を越された。
「……。」
「。…」
「おばあちゃん泣かせちゃったのぉ〜?」
「そうみたいだねぇ…」
「ほんとに覚えてないの〜?」
「う〜ん、忘れちまったさね。」
「忘れられちゃうのは、かなしいからね。 」
「…うん、そうさね。」
そういって優しく蕨の頭を撫でた。
「長生きはするもんじゃないね…」
「おばあちゃん死んじゃうの〜?」
「んにゃ、まだまだ長生きするよ。」
「お手伝いがいる時はいつでも言ってね!
じゃ、私はこれで帰るね!」
手を振って帰って行く蕨。
「ばいばーい、おばあちゃん!お兄ちゃん!」
遠くまで手を振っていると、
薫の姉、香が手を振ってやってきた。
「こんにちはー!
望くん居るー?」
「こんにちは。」
「いらっしゃい。望ならさっき出て行ったよ。」
「え〜!?ちゃんと待ち合わせの時間通り来たのに?」
香の格好からするに何処かに出掛けるのだろうか?
デート?いや、そんなまさか…
「望に用だったんですか?」
「水くさいなぁ、同級生なんだから気にしなくていいよ!
この後出掛けるる予定だったんだけど…
あ、
待ってる間にお手洗い借りてもいいですか?」
「いいよ、あがって。
こっちに。」
1人取り残されて若干の心細さを感じたのもつかの間、今度は薫本人が息を切らしてやって来た。
「よ、よう。姉さん見なかったか?確かこっちに来たはずなんだが。」
「お姉さんがどうしたよ?」
「男とデートに行くつって!
お前知らないか!?ていうか、相手はお前じゃないのか!!?!」
「まあ、落ち着けよ。」
「はぁ…はぁ…」
「相手は俺じゃない。」
「本当か?」
「ああ、
にしたってさすがに度がすぎないか?」
「うるさい、お前に姉さんの何が分かるんだ!
悪い男に引っかかったりしたらどうする!?」
「子供じゃあるまいに。」
「子供じゃないから!「薫!うるさいよ。
人様の家で。」
「っ!?姉さん!」
「帰りなさい。」
「嫌だ。」
「薫!」
「イヤだ!なら姉さんも連れて帰る!」
「……。
はぁ…望くんもいないし、今日は帰るね。
望くんが戻って来たら伝えておいて下さい。」
「あいよ。」
「それとも代わりにどう?」
俺の腕をとる。
「姉さん!」
薫が懇願とも怒りとも取れる声で制止する。
いや、嫉妬だろうか。
「ふふ、また今度ね。じゃあ」
「はぁ…」
心底疲れた様子で薫は、香を連れて、帰った。
「賑やかだったね。」
「そうですね。」
「あんたも望の友達かい?」
「はい!」
「そうかい。
それなら心配は要らなそうだね。
これからもあの子を頼むよ。」
「はい!」
「いい返事だね。なら、これを持っててくれ。」
「あ、はい。これは?」
「あの子が挫けそうになったと思ったら、あの子に渡してくれ。」
その場で書き認めた手紙を渡された。
「頼んだよ、鈴木くん。」
「おうよ!」
_ 胸に親指を突き立てて自信満々に言い切ってやった。




