桂 吾郎 その2
気になったので本人に聞いてみた。
「ばあちゃん。」
何だい?
「鈴木、『鈴本 悠也』って人知ってる?」
知らないねぇ。
「そっか。」
その人がどうしたんだい?
「ん、いや、なんでも。」
そうかい。
「じゃあ『桂』先生って言う人は?」
ん〜聞き覚えはないけど、思い出せないって言うか…
まあ、もう歳だからねぇ…
「そっか。」
んだ、望は知ってるのか?
「_知らない。」
そうかい。
「それじゃあ、わたしはもう寝るよ。
望も気をつけて帰れや。」
「ねぇばあちゃん、」
「ん?」
「『鈴木 修也』って男の子は知ってる?」
「…望は知ってるのかい?」
「ん…いや?同じクラスだよ。」
「…そうかい、
なら知らないままの方がいい。」
「ばあちゃん?」
「わたしに聞いても覚えてないよ。
悪いねぇ。」
望「って事なんだが、、」
杏「絶対知ってるだろ!?」
金「怪しすぎるね。」
望「ばあちゃんはそのまま寝ちゃったからそれ以上は答えてくれなかったよ。
たぶんあの感じじゃ次聞いても答えてくれないと思う。」
杏「謎が深まるばかりだな。」
金「2人があったのは本当に駄菓子屋が初めてなのかな?」
望「そのはずですけど。」
杏「可能性の話をするとキリがないよ、金ちゃん」
金「や、そうなんだけどさ。そこに桂っていう教師を入れればだいぶ絞れるんじゃないかって。」
杏「うーん、そもそもその桂先生を俺たちは知らないだもんな。」
望「アイツの中学校か小学校の先生って事は?」
金「なくはないけどね。
なんとなくだけど違うと思う。」
杏「ここに来て勘か。」
金「まあね。でも、先生=教師は早計じゃないかな?」
杏「それいったらやっぱりキリがないって!」
金「……。」
不「どうみても用務員のおじさんが怪しいと思います。」
杏「えー?」
金「僕もそう考えてた。」
望「えー、なんでですか?」
金「僕のはただの勘で、確証はないんだけど、
御鏡さんはなんでそう思うの。」
不「私も勘ですよ。
ただの勘じゃなくて女の勘です。」
杏「もっともらしい説得力のない答えだな。」
不「それにここで話し合っててもラチがあかない ので、直接聞きに行くのが早いじゃないですか。」
杏「今度はごもっともだ。」
金「そうだね。
今日は鈴木くんが行ってるからまた今度だね。」
不「いえ、本人に聞かなくても名前だけ確認すればいいじゃないですか。」
かくして、下校時間。
部室の鍵を返しに行くときに顧問の沖先生に聞いてみた。
「桂さんがどうしたんだ?
まさかお前らまであの人に教わろうなんて言いださないよな?」
金「何をですか?」
「勉強。お前はその必要ないだろうけど。」
金「桂さんは教師なんですか?」
「元な。だからあんまり迷惑かけるなって、アイツにも言っておいてくれ。」
金「アイツって?」
「鈴本だよ。」
「分かりました。」
金「分かったよ!」
望「でも桂さんとばあちゃんの関係がまだ分からないですね。
ばあちゃんは覚えてない、って言ってたし。」
杏「振り出しかぁ…」
不「そもそも前進してないですよ。」




