駄菓子屋にて 2
駄菓子屋に集まった四人。
望、周助、杏夜、金治。
帰宅部とオカルト天文部の夢のチームだ。
何で金治まで着いてきてるんだと尋ねたら、
杏夜の保護者兼 監督兼 部長として、だそうだ。
人は多いに越したことはないので歓迎だ。
望「さ、収穫はあったか?」
杏「そろそろ中間テストだから焦ってたな。」
周「嫌だあああああ」
望「そんなに成績悪いのか?こいつより。」
周「うるせー!俺も悪いけど修也は俺なんかよりもっと悪いんだよ!!」
杏「そういう事。次落としたら留年かも って言ってたな。」
金「それがどうして用務員室に通ってる事に結び付くかはまだ調査中。」
望「そうですか…
直接聞くってのは?」
杏「はぐらかされたよ。
それこそ『急いでるから』って。」
金「一応部室には顔出してるんだけどね。」
望「状況は変わらずか…。」
金「あ、当たりだ。もう一本ちょうだい!」
望「はい、どうぞ。」
アイスのあたり棒を交換した。
周「お前も店番大変だな。」
望「そうでもないよ。」
杏「勉強の方はいいのかよ。」
望「焦る必要が無いくらいには。」
金「君たちも見習いなよ。来年は受験だからね!」
周「先輩こそは受験生なのにこんな所に居ていいんですか?」
杏「金ちゃんは何を隠そう
金「僕はもう推薦で決まってるから。」
周「あ、はぐらかした!」
金「まあ人は誰でも秘密の1つや2つあるものだからね。」
望「それを暴こうとしてる俺らが言えたことじゃないけどね。」
金「たしかにね。
…そうだね、杏くん、続き言っていいよ。」
杏「え、いいの?じゃあ、
何を隠そう我らが学校の御曹司!
だから勉強する必要は元々ないんだな、これが!」
金「うちの親はそこまで甘くないけどね。」
周・望・修「「「へぇ〜!」」」
金・杏・望・周「!?」
修「へぇ〜!」
周「なんでしれっと居るんだよ!?」
修「今来たから」
杏「何しに来たんだよ!?」
修「甘いもの欲しくなったんだよ、ここ駄菓子屋だろ?」
金「今までどこ行ってたの?」
修「……
内緒。」
望「用務員室だろ?」
修「…内緒。!」
杏「そこで何してたんだ!」
修「内緒ったら内緒!」
周「怪しい怪しい怪しい!!!」
修「内緒!内緒!内緒ったら内緒!!」
金「あ〜やーし〜いー」
修「脇腹弱いからやめて!」
杏・周・望「!」
望「聞いたか?」
杏「良いこと聞いたな。」
周「ああ、なら取り押さえて力づくで」
修「え、なに、怖い」
「あっはははっっはっはははっはっはっはは
ひゃ!っひゃっひゃっひゃ!!
ひー!ひぃっひゃっひゃっはははっは!!」
金「程々にね。」
「と、とめ、はっはっはっはっは
やめ、っひゃっはっはひ
と、ちょっ、っははは、かんべ、ゆるし」
倒れ伏す男子高校生。
息も絶え絶え砂埃にまみれて、
周「参ったか?」
杏「今日のところは」
望「これくらいで勘弁してやる」
周・杏・望「さあ!吐くんだ!!」
金「みんな息が上がって、それどころじゃないでしょ。」
呼吸を整えて駄菓子をつまみながら
標的はやっと秘密を吐いた。
修「勉強してたんだよ。」
望「用務員室で?」
杏「わざわざ?」
修「桂さん、用務員さんは元々教師だったらしいんだ。」
金「それで教えてもらってたんだ。」
修「はい。」
周「でも何でそんな事隠してたんだ?」
修「…。」
杏「お、第2ラウンド行くか?」
修「わかったわかった!もう勘弁して!!」
修「その…なんだ、
良い点とって見返してやりたかったんだよ。」
杏「なーんだ、そんな事か!」
修「だから言いたくなかったんだよ」
周「まだ取れるかどうかも分からないもんな。」
修「うるせー!お前には絶対負けないからな!」
望「でもわざわざ用務員室に行く理由は?」
修「あそこが集中出来るんだよ。」
周「へぇー、じゃあおれも行こうかな。」
修「ぜってぇー来るな!勉強の邪魔になる!」
周「何だとー!??」
金「何で用務員さんなのかな?
先生は他にも居るのに。」
修「…。」
杏「お?」
修「それこそ桂さんでもいいじゃないですか?
金「こだわる理由は?」
修「こだわりこそ、理由はないじゃないですか。」
周「俺たちの出番だな。」
金「さすがにこれ以上は近所迷惑だよ。
それに割らないと思うし。」
修「その方が助かります。」
金「じゃあね、今日は楽しかったよ。」
杏「じゃあまたな!」
周「お疲れっす!じゃあ、俺も帰るわ。」
そうして、望と修也だけになった。
修「なあ望、
お前のおばあちゃんは今居るか?」
望「生憎、入院中だ。」
修「…そっか。」
望「何か用だったか?」
修「いや、いい。
良くなるといいな。」
望「ただの検査入院だって言ってたけどな。」
修「そっか。」
望「退院したら知らせようか?」
修「いや…
やっぱお願い。」
望「おう。」
修「悪いな。
じゃあな。」
望「おう、じゃあな。」




