駄菓子屋にて 1
数田さんの家を出て、
急いで近くのコンビニのトイレに駆け込んだ。
自分でも驚くほど吐いた。
そんなに飲み食いしたっけかと。
胃に穴が開かないか心配だが、
あれは
その告白は誰でも好きになるだろうが!
あの時の俺はこんな気持ちだったのかよ!
るいが人いなけいゃきなわ救はに俺もでれそ
うがいも兼ねて普段買わない水を買った。
駐車場では周助がピザまんを食べていた。
「よお、周助!」
「ん?
いっっ゛っっ!!!?」
ムカついたのでスネを蹴ってやった。
それから数回うがいを済ませた。
「何で蹴られたんだ俺!」
「帰るんじゃなかったのか?」
「ああ、でもやっぱり気になってな!」
俺の肩に手を回して、片足立ちになってもたれかかって来る。
「で!どうだった!!?」
もっと思いっきり蹴ってやればよかった。
その分俺も痛い思いをするのだが…
「何だよ秘密ばっかって!」
「俺だって恥ずかしいんだよ」
「恥かしい何かがあったのか!?」
「お前の思ってるような事はないからな!?」
「じゃあ俺が思いつかないような恥ずかしい事が起きたんだな!?ちくしょう!」
「声デカいって!違うから!」
「あー甘ったりぃ!!俺もそんな恋したいぃいい!」
「はいはい、落ち着けって。」
「あっ、そうだ、駄菓子屋寄ってかね?」
「望の家の?」
「え、そうなの?」
「あれ、別の店だった?」
「そーだよ、ここだよ。
望の家なの?」
「正確にはおばあちゃんがやってるんだってさ。」
「へー。」
「いらっしゃい」
「こんにちは」
「こんちゃーっす」
「こんにちわ」
眼帯を付けた蕨ちゃんがいた。
「あれ、確か先生の…」
「宮下 蕨です。」
「あー、そうそう久しぶりだね。」
「はい。」
「へー、この娘が先生の…」
「ん?」
蕨ちゃんはお菓子を差し出した。
「はい。」
「くれるの?ありがとう。」
そして周助にも同じものを差し出した。
「はい。」
「俺にも?ありがとう!」
「「いただきます」」
一口噛むと中から液体が漏れて、
「すっぺ!」
すごく酸っぱいガムだった。
「ふふふ」
悪戯が成功して無邪気に喜ぶ蕨ちゃん。
「俺のは普通だわ。」
「ちくしょう」
「ま、普段の行いだわな。」
偉そうに肩を叩く周助。
「納得いかねぇ…」
ほどほどに空腹も紛れ、
外はもう暗くなっていた。
「よかったら送ってくよ?」
首を振る蕨ちゃん。
「ううん、大丈夫。」
「本当に大丈夫か?」
何かあったら俺らが先生に怒られると周助が言う。
「ありがとう。私は大丈夫だよ。大丈夫だから。」
「そっか。
ま、気をつけろよな。」
周助と俺は後ろ髪を引かれる思いだが、それでも念押しに『大丈夫だ』という蕨ちゃんを後にした。




