はるの
体育。
男子はサッカーだ。
太ももに当たるとメチャ痛い。
適当に来たボールを運動神経のいい奴に返すだけの仕事。
走るフリをして、あんまりボールに触らずボールを追いかける。
女子はバレーだ。
もうバインバインだ。
なんだろうけど、
離れててよく拝めない。
と、周助が言う。
悠也ではない。
断じてない。
クラス合同の体育。
時間制の交代で審判や球拾い、はやる気のあるやつがやって、平凡な俺たちにとってはあくびが出るほど暇な時間。
のはずが、何故か転校生が俺に接触してきた。
「なあ」
「〜?」
あくびの途中で呼ばれて、
口を開けたまま振り返った。
「悪い、やっぱり何でもない」
「ぉお」
何の用だったのか?
再びあくびをする。
終わった終わった。
着替え終わって飯だ!
今日は4人だ!
何故かまた転校生が居る。
周助が誘ったらしい。
「それが噂の弁当か。」
「噂?何の?」
「こいつがいつの間にか数田さんとデキてるって。」
「そうなんだ。2人は付き合ってるの?」
「いいや、違うよ。」
「どうだかな。」
「本当に違うって。」
「じゃあ何で弁当なんて作ってきて貰ってるんだよ。」
「俺が聞きたいよ。
昨日から貰うようになったんだ。
明日もくれるかいつまでくれるかも分からない。」
「餌付けされてるの?」
「かもな。」
「何があったらそういう関係になるんだよ。」
「俺が知りたい。」
…
「なあこの後暇か?」
部室に行こうとしていたら周助呼び止められた。
「何で?」
「みんなで遊びに行こうぜ?」
みんなとは転校生とその囲い。
部活というか同好会は基本は自由参加。
どちらでもいいが、
「部活があるから、またな。」
またからかわれるのは面倒だ。
「あれ?部活入ってたっけ?」
「同好会。」
「あー、この前言ってた。」
「前にもこんな会話した気がする。」
「そうだっけ?まあ、なら仕方ないな。
またな。」
「じゃあな」
部室の扉を開けると全員揃っていた。
「よーっす。」
「あれ?」
「え?」
「…。」
「こんにちは」
そこに例の女子生徒もいた。
「今日はどうした?鈴木。」
「鈴本だ。」
「ああ、そっか、ごめんごめん。」
「あ、谷谷谷谷先輩、俺にも紅茶お願いします。」
「あ、うん。ちょっと待ってて。」
先輩がいつもよりぎこちなく準備を始めた。
荷物を黒板の下に置いて、空いてるの席から椅子だけ拝借する。
4人がけの机の上には夜空の写真と人数分の紅茶とお菓子。
体験入部に来た例の女子生徒に活動内容を説明していたようだ。
「はい、お待たせ。」
「ありがとうございます。
あ、そういえば俺のグラス割ったままでしたね。」
「え?」
「新しいの買ってこなきゃな。
いただきます。
やっぱ先輩の入れるアールグレイが一番美味しいっすね!」
「お粗末様です。…。」
「それでこの人は?」
「先日こちらに転校してきた『春原 香』です。」
どこかで聞いた事のある名前。
どこか誰かに似ている気がする。
きっと俺たちは昔に
「弟の『薫』がお世話になってます。」
会ったことはない。
…。




