想い出
「会うだけだ。」
救えるわけじゃない。
「ああ、期待してる。」
「勝手にしてくれ。
後は頼んだぞ。」
「任せろ!」
「…。」
「何、するの?」
「三四五に会いに行く。」
「何しに行くの?」
「…分かんない。」
「何で君なの?」
「さあね。」
「行かないで」
「嫌。」
「ヤダ。」
「俺も嫌だ。」
「ヤダ。」
「すみませんが離れていて下さい。」
「…」
二三四が看護師に剥がされる。
「では今からここで蘇生を試みる。
バイタル見逃すなよ!」
「「「「はい!」」」
「欲しいものはあるか?」
「今はない。」
「そうか、じゃあ手を出せ。」
幾つになろうが針は痛い。
「目を瞑れ。
俺を信じろ。
お前を信じてるからな。」
_
「それでここに来たんですか?」
「おはよう。」
「先輩、寝癖ついてますよ。」
「嘘?どこ?」
「嘘ですよ。」
「なんだよ。なら良かった。」
「それで、何でここに来たんですか?」
「三四五に会いに来た。」
「何しに会いに来たんですか?」
「それはまだ考えてる途中だった。」
「何でそれで会いに来ちゃったんですか?」
「本当に、何でだろうな?」
「答えて下さいよ。ちゃんと。」
「少し時間をくれ。」
「時間なんてもうないですよ。」
「それでも少し待ってくれ。」
「じゃあなんで会いに来たんですか。」
「会いたかったから。」
「最期くらい綺麗な夢のまま眠らせてよ!」
「いいや。これが最期じゃない。
だから、この手を取ってくれ。」
「何でそんな事をするんですか!?
答えもハッキリしてないのに!
そんなのただ、迷惑だよ!」
「俺はお前が羨ましかった。
俺が死んだ時、誰かに泣いて欲しい。
ただそれだけだ。」
「何ですかそれ…」
「こんな事あんまり人に話した事ないけどさ。」
「じゃあ何で私に話したんですか。」
「今さらやっと気付いたんだよ。
命をかけても会いたい人。
それは愛だから。
俺は_君の事が好きなんだ。」
「…っ…っ…っ、
ふ、っ…ふふ…」
「…」
「…」
「…」
「残念。時間切れでした。」
「待ってくれ!!」
今さら手を伸ばして届かない。
「もっと早く。
もっと早くその言葉が聞きたかったはずです。」
「行くなっ!!」
またあの少女が現れた。
「さいごに先輩に会えて嬉しかったです。」
「頼むから、俺の手を取ってくれ」
少女の手をとった。
「最期にこうして先輩に会う為だけに、私は。
先輩に好かれる為だけに私は。」
「だから、最期の最後に嫌われたくないから。
悠也さん
好きでした。
 ̄。」
ああああああああああ
それが夢だった。
今際の際に見た。
だって彼女は既に眠っているのだから。




