邂逅
「ここで終わるのもいいと思えた。」
ここに来てどうするもう居ないんだぞ!
「あの、数田さんはどこの病院に運ばれたんですか!?」
「あー、ごめんねぇ。
見てただけだから詳しくは分からないんだよねぇ。」
「そうですか、ありがとうございます。」
「所であなたは?」
「同級生です。」
分かれ!分かれよ!
どこに居るかぐらい!
探してる時間もない。
考えれば分かるだろう!
聞かなくても分かる。
きっとそこに居る。
その奥に。
「数田…」
「…何で来たの?」
止まってしまった。
「隣、座って」
「…」
「ねぇ、どうしてここに来たの?」
「夢を見たんだ。」
「夢」
「三四五と一緒に出掛けた夢。」
「...あの日の夢?」
「いいや、きっとありえたかもしれない夢。」
「それでどうなったの?」
「急に終わったよ。」
「それでここに来たの?」
「ああ」
「三四五はどうなった?」
「今中で着替えてる。」
一瞬、希望を持った。
「最期の服に。」
「っ...」
だから彼女はここで伏せていたわけだ。
間に合わなかったのか?
「終わりましたよ。」
扉が開いた。
中からは恐らく数田の母親らしき女性と看護師が出てきた。
「さあ、二三四、挨拶してきなさい。」
隣にいた自分とも当然目が合う。
「こんにちは、三四..二三四の友達?」
同じ学校の制服なのだからそう思ったのだろう。
「はい。」
「わざわざありがとうね。」
「いいえ...」
俺は何もしてない。
「良かったら挨拶していってください。」
「はい」
部屋に入ると三四五が眠っていた。
寝息も立てず、ただただ静かに仰向けに。
顔にかけられていた白い布をどかすと、変わらない綺麗な顔がそこにあった。
二三四は黙って見ていた。
「お前、何しに来たんだ。」
振り返ると男性の医者がいた。
「いまさら、何しに来たんだ。」
目の前まで来て胸倉を掴まれる。
「部外者は出ていけ。」
「やめてください。」
二三四が割って入った。
「今度は何したんだ?」
「...何もしてないよ。」
「またそれか。
ただ見てただけか...!
救える命が目の前にあってお前は!」
「あんたに救えないのに俺に救えるわけがないだろう!」
「お前!!」
「やめてよ!!!」
「やめてよ...三四五が起きちゃうから。」
「ごめん。」
「失礼しました。少し取り乱してしまいました。」
表に出ろと瞳で語った。
面倒だが、今この場にとどまるのも気まずい。
「なあ、お前がここに居る理由、分かってんのか?」
「…」
「お前が生きてる理由だよ!」
「それはあんたの押し付けだ。」
「今あの子を救えるのはお前だけなんだよ…!
「俺には救えない。」
「なんでだよ…!?お前が諦めなければ…!」
「彼女がそれを望んでいない。」
「それでも死なせちゃいけないだろ?!
生きてれば!」
「死んで終わりじゃないんだ!!
俺たちが終われせちゃいけないんだよ!」
「どうしてお前はそうやって…!」
「あんたこそいつまでも…!」
ふと、言葉を思い出した。
「他人に絶望を押し付けるな。」
今の俺達にも当てはまる。
「…もういい、今すぐ俺の目の前から消えろ。」
「消えない。消させない。
俺は諦めてなんかいない。」
「なら!」
「分かったよ!やってみる!」
「救って…は?」
「彼女に会ってみる。」




