今はの閉ぢめ
目が醒めると授業は終わっていた。
「行かなきゃいけない所がある。」
何処かは分からないけど、
きっと俺じゃないけど、
それでも行きゃなきゃいけない。
「お待たせしました。」
「いや、そんなに待ってないよ。」
「どうですか?」
「前と同じだね。」
「覚えてるんですか?」
「なんとなく。」
「そうですか。
それで、どうですか?」
「…まあ、似合ってると思うよ。」
「ありがとうございます。」
「じゃあさっそく行きましょうか。」
「なんで手を繋ぐの?」
「迷子にならないようにです。
これ以上先輩が離れないように。」
「…そうか、ごめんね。
ありがとう。」
「いえいえ〜。
これはこれで役得なので。」
「はは。」
「なんで笑うんですか?」
「三四五ちゃんといたら元気が出て来たよ」
「本当ですか?
なら嬉しいです!」
「三四五ちゃんはどんな絵を描いたの?」
「呼び捨てでいいですよ。
絵は着いてからのお楽しみです。
今の私の集大成ですよ!」
「そうなんだ。
楽しみだ。」
「はい!」
「こういう場所は初めてだ。」
「そうなんですか?
私は良く来ますよ。
お姉ちゃんと一緒だったり、
この前は先輩と一緒に。」
「あっ…
そういえばそうだったな。」
「はい!」
「…。」
「どれが私の絵か分かりますか?」
「さっぱり。」
「名前見ちゃダメですからね。」
「え〜
」
「どうしたんですか?」
「
」
「…何もない所で立ち止まっちゃ邪魔になりますよ。」
「
」
「引き返しましょうか。」
「ダメだよ。」
目の前に少女がいた。
「退いて下さい。」
「時間切れだよ。」
いつかどこかで見覚えのある少女。
「待って、待ってよ!」
「ダメ。」
手を差し伸べる少女。
「お願い待ってよ!まだ、まだ…!」
「時間切れ。」
手が離れる。
「ねぇ、先輩。
最後に」
「。」
彼女達は消えて行った。
最後の言葉は
「だってまだ、私の絵を見てもらってない。」
「それは無理だよ。」
「どうして!?」
「君は何も描いてないじゃないか。」
「違う、違う。」
「私の絵を見てから君は何も描けなくなった。」
「違う…」
「最後の絵も描けなかった。」
「…」
「だからそこには何もない。」
「…わたしは」
「そこから先はないよ。」
「ただ、せんぱいと」
「君が選んだだよ。」
「いっしょにいたかった。」
「終わることを。」
「だけなのに。」
「そこから先はない。」
「_あーあ。」
「ごめんね。」
「どうしてこうなちゃったのかな。」
「私が彼にチケットを渡したばっかりに。」
「…でも、最後にこんな夢が見れた。」
「なら、それも良かったのかな。」
「ごめんね、お姉ちゃん。」
「汀、今いくよ。」




