念願
「これが、これこそが待ち望み続けた『オカルト』だっ!!」
というのに、
それなのに、それなのに。
なんでこんなにも寒いんだろう?
家に帰っても冷めぬ興奮に1人で沸いていた。
謎、未知、摩訶不思議、
俺が追い求めていた奇想天外があった。
そうだ、日記を書こう。
いつかコレが世界にとって重要なものになるかもしれないから。
ああ、夢みたいだ。
まるでまるで夢の中のような。
現実味のない現実。
さて、
さてさて、
これからどうなるのだろうか。
どんな奇妙奇天烈が待っているのか。
ああ、楽しい。
生の実感が湧いてくる。
それだってのに、
心の何処かに感じているこの寒さに似て心地は何だろう?
今はまだ自覚も出来ないていなのに、
何故そう感じるのか?
今はまだ気にも留めていなかった。
それから次の部活動にて、
「おはよう。」
「おはようございます。」
何ら代わり映えのない日常。
当然、そこに件の彼は居ない。
入部届に書いてある名前にはハッキリと
『鈴木 修也』
と書いてある。
動かぬ証拠。
あの夜見せて貰った彼の生徒手帳にも。
だが、学校側の名簿は違う。
そして根本的な問題として、オレ達はまだ彼の連絡先をまだ知らなかった。
恐らく彼の様子からすると自分が入部届に名前を書いた事も忘れている、或いは知らないのだろう。
だからといって、こちらから押し迫るのもどうかと話し合いになり、
「一度勧誘出来たのだから、きっとまた入ってくれるよ。」
と、冬休み明けを待つ事になった。
それまでは今までと代わりない。
ああ、楽しみだ。
待ち遠しい。
これから起こる、
いや既に起きているオカルトが楽しい。
あっという間に日が暮れて、
次にココで合うのは年が明けて三が日後。
どうせ家に居るのと代わらない。
金ちゃんとは一緒に初詣に行くし。
「さようなら。」
「またね。」
解散。
そうだ今日は肉まんでも買って帰ろう。




