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今際の夢  作者: lycoris
今際の夢
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線香花火

私生活がドタバタだったので更新が遅れました。

その分今後はペースを増して行けたらなぁ、と。

思ったんだ。

案の定、汀は屋上にいた。

「 」

「 」

誰か分からない女の子と話してた。

だがその子を俺は知っていた。

でも、分からない。

思い出せるけど分からない。

「あー、今日はよく星が見えそうだねー!」

「ちょっと寒いけどな。」

「あ_」

汀がこっちに気づいた。

「 」

口が動いてるが音は聞こえない。

「何で急に居なくなったんだよ。」

「 ?」

「何を言ってるかわかんねぇよ。」

「  」

そう言って汀は笑っていた。

「聞こえねぇよ。」

「  」

「分かんねぇって!

お前は一体何なんだよ!?」

「  」

まるで聞こえてない様な素振りをする汀。

「どうした?」

「鈴木くん?」

「  」

まるで聞こえない。

汀の声だけが。

「  」

「  」

「手を洗っていて遅れました。」

汀たちの声だけが。


最初からそこに誰も居なかったかの様に。

風が吹いた。

振り返った汀はもう二度と、、

俺はその顔を、もう見ることはない気がした。

分かってしまった。

これは夢ではない事。

これが夢ではなかった事。

なら、何だ?

これは何だ?


汀の手を引く女の子。

手を引かれる汀が霞んでゆく。

白く白く、(ただ)白く夜に溶けていく。

「行っちゃダメ!!」

それでも汀は振り返らない。

女の子が楽しそうに笑う。

「  」

笑いかける。

「待て!止まれ!!」

体が重い。

何かに引っ張られる。

 胸が冷たい。


目が眩む。

眩い夜の閃光にもう、何も見えなかった。

最後にやっぱり振り返って、笑う顔も。

あと少しで聴こえたのかも知れない。

その別れの言葉と、

女の子が笑う意味と。

その姿があの子に似ている理由も、

分かってあげられるはずだったものを。

女の子が泣いていた理由が、

あと少しで。

あと少しだったのに、

体は何もしてくれやしなかった。




ただ引き離された。

3人に。

そして糸が切れた様に座り込む。

他人の事の様な自分の事。

目の前にはフェンスがあった。

いつの間にかフラリと歩いて行ったようだ。

これ以上先には行けない。


あと少しだった。

届きそうだった。

でも、届かなかった。

阻まれた。

だからもう、何も分からなかった。

分からなくなった。

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