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今際の夢  作者: lycoris
今際の夢
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凪ぐ風に

眼が覚めるとベッドの上だった。

薄く仕切られた白いカーテンをめくると、ここが保健室だと分かった。

俺が起きたのに気付いた保健室の先生から聞いた。

朝に用務員さんが学校を解錠して回ってる時に見つけたそうで、

ここまで運んでもらい、今の今まで、眠っていたそうだ。

時間はちょうどお昼か。


水を1杯貰って、それからカーテンを閉じ、ふて寝を始める。

何も考えずただぼーっと過ごしているとチャイムが遠くでなった。

お昼はどうする?とカーテンを開けられた。

腹は減ってないし、帰るのも面倒だから、もう少し居させてもらう事にした。

今は何もする気が起きない。

また天井を眺めようとした時にカーテンが開いた。

今度は先生ではなく、生徒、後輩がそこに居た。


用を聞くとわざわざ謝罪をしに来たらしい。

何となく俺が学校に居る気はしたそうだ。

汀の事と、平気だとは言ったが轢いた事。

過ぎた事、終わった事。

俺もやっと誤解を与えた事を謝れた。

それから少し他愛のない話をした。

 これで真に陰府乃とは分かり合えたはずだ。

  それなのに、ここに汀は居なかった。

気がつくと5限前の予鈴がなった。

これからバイトがあると陰府乃は帰った。


「君も帰らなくて良いの?」

「もう少しここに居させて下さい。」

「それは別に構わないけど、

…所でさっきのは彼女さん?

なかなか隅に置けないねぇ。」

「違いますよ。

ほっといて下さい。」

「そういう訳にはいかないよ。

不純異性交遊は校内じゃ厳禁だよ。」

「学校じゃなきゃいいんですか?」

「ダメと言いたいけど、こっちもそんな所までは面倒見切れないからね。

それに校内は、風紀に関わるからね。」

「先生とはあんまり関係ないんじゃないですか?」

「私の預かり知らぬ所で、ここのベッドが汚されるのは堪ったもんじゃ無いからね。」

「あったんですか?」

「ああ、思い出すだけでも腹が立つよ。」

「先生でも怒るんですね。」

「仕事だからね。

と、いうか、話してないで寝てなさい。

それか帰る。」

「それもそうですね。

おやすみなさい。」



「おーい、起きろー!」

うるさいな。

最近やけに人に起こされる事が多いな。

「うるさいぞ。」

「お!起きたな。」

何もかもがガサツな田淵の声に起こされた。

最悪の目覚めだ。

よもやこんな奴に起こされる日が来るなんて。

「何の様だ。」

「何の用だとはご挨拶だな。

見舞いに来たんだよ。」

一々言う事も面倒くさい。

「そんな事より俺は帰りたいんだけど。」

「まあまあまあ。

ほらリンゴだ。」

容器に入った一口大に切られたリンゴ。

「別に腹減ってないんだけど。」

「そう言うなって。美味いぞ?」

「何か嫌。

俺帰る。」

「まあ待ってよ、鈴木くん。」

金治さんが入り口に立ち塞がった。

「病み上がりでしょ?

リンゴ食べる?」

赤い無加工のリンゴを差し出す。

「何ですかそのリンゴ推しは!?」

しょうがないのでグラウンドの方の出入り口から出ようとした。

「リンゴ要りますか?」

扉を開けると案の定、

御鏡さんがわざわざウサギ型に切ったリンゴを持っていた。

「どうなってんだよ。」

「いいから食べて下さい。

こっちは早く手を洗いたいんです。」

「御鏡さんもこの2人に付き合う必要は無いよ。

そこを退いて。」

「残念、部長命令なのさ。」

「そう言う事です。

さあ。」

仕方がなくウサギのリンゴを受け取った。

「どうだ?」

「…普通。」

美味いは美味い。

「そうか、なら俺のも食え!」

「僕のもいいよ。」

「そんなに要らないから。

さっきも聞いたけど、何でリンゴ?」

「いやー、親戚からいっぱい送られてきちゃって。

部のみんなにお裾分けしようと思ってね。」

「俺は部員じゃないんですけど。」

「でも、今食べたよな?」

「つまり鈴木くんも部員って事だよね。」

「…」

無言で逃げようとしたが、正面は御鏡さんが両手を広げて塞いでいる。

「ここは通しませんよ。

観念して下さい。

早く手を洗いたいんです。」

「お見舞いに来たんですよね?」

「もちろん。そっちが1番で、勧誘はついでだよ。

リンゴ食べる?」

「はぁ…」

「さあ、この書類にサインしろ。」

「俺あんまり星に興味ないんだけど。」

「この際幽霊部員でもいい、入ってくれ!」

幽霊

そういえば、俺は(あいつ)を探しに学校に来たんだったな。

そういえば、意識を失う前に確かに見つけた気がした。

 そうだ。

開いた扉から吹き抜けた北風に体が震える。

「金治さん、屋上の鍵持ってますか?」

 ここはオカルト天文部。

「あるけど、それがどうしたの?」

 なら

「入部する代わりに貸して下さい!」

 行くしかない!!

「!

交渉成立だね。

いいよ!早速見に行くんだね?」

「はい!!」

 今、会いに行く!

続きはよ

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