スマイル
そんな顔が見たかったんじゃない。
笑って欲しかった。
忘れて欲しかった。
ああ、なんで、こうも、上手くいかないんだろうな
。
「それって…」
そんな顔で言われたら嫌でも分かってしまう。
あまりにも材料が揃いすぎている。
「…ごめんなさい。こんな空気にしちゃって。」
「いや、いいよ。
…でも、やっぱり、」
「やめて下さい。
そこまでしてくれなくていいです。」
「…」
「先輩、お腹空きませんか?」
ありきたりだったが、場所を変える事にした。
外の空気を吸って気分を変えてから、
すぐに彼女は元に戻った。
また当たり障りのない何気ない会話に戻った。
こんなのが楽しいはずがない。
それなのに彼女は微笑みを絶やさなかった。
俺にはそれが耐えられなかった。
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『止めろよ。なんでそこまでするんだ。』
「分からない。でも!」
『そこまでしてくれなくていい。』
「このままでいいのかよ!」
『いいわけない!
でも、他に何が出来るんだよ!』
「…」
『なんでそこまでしてくれるんだよ?』
「…」
なんでだろうか?
体が勝手に動く、
その理由は?
帰り道、公園で解散する事になった。
そこには偶然数田、
二三四も居た。
「あ、お姉ちゃん。」
「三四五?それと、鈴木くん?
あれ?なんで2人が一緒にいるの?」
ちょうどいい。
「え?お姉ちゃんが先輩に頼んだんじゃないの?」
「え?
ああ、そうか!」
二三四が笑って頭を下げた。
「ありがとう鈴木くん。
探してくれてたんだね、本当に。」
途中から声が震えていた。
「でもね、ごめんね。
見つかったよ。」
そんな顔が見たかったんじゃない。
「けど、また居なくなちゃったの。
今度は探さなくてもいい。」
そんな笑顔が見たいんじゃない。
「あの子はもう
「知ってるよ。
昨日、俺の手の中で息をひきとった。」
「え?」「え?」
「お前らに『ありがとう』って言ってた。
自分の死際お前らを想って死んでいった。
だから、
そんな顔するなよ。
無理して笑うなよ。」
「なんでそんな事、鈴木くんが?」
「俺には分かるんだよ。
だから、三四五!」
「え?」
「今変わるから待ってろ。」
「え?え?」
急に自分に矛先が向いて戸惑っている隙に、
汀と交代する。
「さあ、行ってこい!」
『なんでそうなるんだよ!』
「今しかないだろ!?お前、あの子に嘘を付いたままでいいのかよ!」
『気付いてたのか?』
「普通に考えて姉のクラスメイトってだけでついてくる訳ないだろ。
彼女もきっと何か感じてるはず。
だから、今しかない。」
『そんなにしてくれたって、俺には返せるものが無い。』
「そんなの要らない!
このまま別れるくらいならなんだってしてやる!」
『…』
「お前だって彼女のあんな顔見たくないだろ?」
『ああ!」
「なら、行ってこい!振られたら俺が慰めてやる。」
『ありがとう!!』
後はもう…なんとかなるだろう…
意識が、沈んでいく… …
姉が二三四
妹が三四五です。
長女を一二三にしてますが、登場予定は未定です。




