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今際の夢  作者: lycoris
今際の夢
43/140

猫と少女 1

「起きた。

大丈夫か?」

「…。」

ここはどこでこいつは誰だ?

何か大事な事を忘れている。

「大丈夫か?やっぱり病院に行くか?」

「…?」

どうなってるんだ。

体が思うように動かない。

痛い。

「ごめん。

飛び出して来たのはたしかにそっちだけど、私も不注意だった。」

「何の…話だ…?」

「…!

記憶が無いのか!?記憶喪失か!?」

「だか、ら…何の話だ…?」

「自分の名前は分かるか?」

「ああ」

「昨日までの事は覚えてるか?」

「たぶん。」

「今日の事は?」

「いや。」

「部分的な記憶喪失か?」

「分からない。とりあえず説明してくれ。」


どうやら俺はこいつに、

宅配バイト中の陰府乃七海に轢かれたらしい。

 で、俺の体を汀が使ってここまで来たそうだ。

「前に俺が言ったこと、信じてくれるか?」

「うん、あの時はごめん。

汀も謝ってた。」

「あの猫はどうなった?」

「…あのまま置いてきた。

非常時だったから。」

「分かった…お前は悪くない。」

まだ体が痛む。

「起き上がって大丈夫か?」

「わざわざ運んでもらったのに悪いな。

ベッドありがとう。」

行かなきゃ

「どこに行くんだよ。」

「行かなきゃ。」

俺にできる事は

「もう死んでるんだぞ?

今更行ったって「死んだんだよ!!

俺の腕の中で!!

俺が!俺がもっと早く!!

気づいていたら!もっと!もっと!!」

「…」

「行かせてくれ…!」

「ダメだ。怪我させた私にも責任はある。

だから私が行く。」

「それじゃあダメなんだよ、

お前は悪くない、

そこを退いてくれ、」

「ならせめて、私もついて行く。」

「っ…

あんまりいいものじゃないぞ…」

「うん。

今のあんたを1人にする方が危ないから。」

「あ、あ…」


七海の肩を借りてなんとか公園まで戻った。

そこには膝をついて泣いている少女がいて

その腕の中に猫はいた


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