くらゔ
「あれが青春ですか?」
背後から聞かれた。
「…どうだろうな。」
「違うんですか?」
「ごめん、恥ずかしい。」
「青春は恥ずかしいんですか?」
「いや、違うけど。そうじゃない。」
「ハッキリして下さい。」
「じゃあ、俺的には青春だ。」
「そうですか。」
振り返ると御鏡さんが居た。
「行きますよ。」
「何処に?」
「迎えに来たんです。」
「え?」
「あれ?部長達に言われて来たんですけど。」
部活?
「俺何かした?」
「また何かやったんですか?」
「いや、記憶に無いけど…」
ない、けども…
「あー!思い出した!はな」
御鏡さんの手が俺の口を塞いだ。
「周りには内緒です。」
返事が出来ないので代わりに頷く。
「では、行きますよ。」
「どうやったら、あんな友達が出来るんですか?」
屋上に向かってる最中、振り返りもせず掘り返された。
「いや、俺はそんなつもりじゃなかったんだけど。
どうやったんだろうな?」
「分からないから聞いてるんです。」
「ごめん、聞かれても分かんない。」
「いえ、別に謝られても…」
「御鏡さんは友達居ない?」
「失礼ですね。」
「だよね、ごめん。
その友達が困ってたらどうする?」
「可能なら力になります。」
「そんな感じ。
それの積み重ねじゃないかな?
俺もあんまり偉そうな事は言えないけど、
俺と秋悟はそんな感じだ。」
「そうなんですか。」
「最近知ったんだけど、
『情けは人の為ならず』って言葉は「知ってますよ。」
あら、やっぱり?」
「ただの言い訳じゃないですか。」
「言い訳があれば人は何だって出来る。でしょ?」
「…。」
「あいつ、部活辞めるって言ったんだ。
俺には勿体無いと思った。
もう二度とあいつの演劇が見られないのは。
それが言い訳で、
本当は俺のせいであいつは辞めるって言った。
だから、俺のせいで辞めさせるわけにはいかなかった。
その為なら臭いセリフも何だって言う。
俺は怒られたくないし、恨まれたくない。
その為に出来る限りをする。
今みたいに今更勉強したり。」
「…鍵なら開いてますよ。」
熱心に語っていたのか、もう最上階まで上がっていた。
ここから先は初めてだ。
今までここで汀と話していたが、
いや、確か美術部の部長に会ってたな。
それで、絵のモデルに
ああ、なんだか最近は今までになく濃い日々を過ごしている気がする。
今までにない、これからあるかも分からない。
「おう、来たか。」
「遅かったね。」
「始めてても良かったですよ。」
「悪いな。」
「なあ、部活入れよ。」
「考えとく。」
「つまらないか?」
「楽しいさ。」
「なら。」
「前向きに考えとく。」
「待ってるぜ。」
「悪いな。」
青春部活モノじゃ、
ないんですねコレが。
ただここまでで区切ればそれはそれで
とも思えるけど、まだ回収しはじめたばっかりなので。




