再生の始まり
だからと言って、
行かない理由にはならないし、
行かない理由もない。
だから、とりあえず、向かった。
自分の事でも無いのにコイツはうるさいし。
「今日も学校あるの?」
母親に聞かれた。
「演劇に手伝い。」
「部活入ったの?」
「入ってない。」
「そう。ご飯はいるの?」
「要らない」
「はぁ…どうしてあんなにうるさいんだ…」
「いいお母さんじゃん。」
ボヤキを聞かれた。
「でも、一々うるさいじゃん。」
「しょうがないじゃん。心配してるんだから。」
「だけどさ…」
「自分の母親が泣いてるの見た事あるか?」
「ドラマとか映画とかで割と…」
「…俺は無かったよ。
でも、自分が死んだ時に泣いていた。」
「…」
そういう話しかよ…
「結局俺は母親が泣いた所を見た事はないんだ。
出来ればもっと別の形で泣かせたかったな。」
分かるような分からないような。
「姉ちゃんだってそうだ。」
「…」
「だから、俺と同じになるなよ。」
気づけばもう学校だ。
アイツは、いつの間にか消えていた。
まだ劇が始まるには時間があった。
いまさら、
部室に行くのは気まずい。
さっき言われたばかりだってのに。
フラフラ歩いてると、教室に着いた。
誰かが寝ている。
「ん…」
俺がドアを開いた音で起こしてしまったようだ。
「ぁ れ…?」
しきりに目を擦っている。
「もう朝…?」
「おはよう。」
「?おはよう。」
律儀に返してくれた。
「何してんの?」
「?
なんだっけ?」
「大丈夫か?」
「うん。」
「そっか。」
…
「私を探しに来たんだ」
気まずい空気は案外と長くは続かなかった。
「いや、俺は別に「ううん、私は探しに来たんだよ」
そう言って彼女は笑った。
「じゃあね。」
そのまま教室を出て行った。
何だったのかと窓の外を俯瞰していると、また彼女を見つけた。
いや、よく見たら制服が違う。
でも、何処かで見た事がある。
その少女は体育館へ向かった。
時計を見ると開演の時間が迫っていた。
行かなきゃ
自分でもビックリでした。
そうしてほどけていくなんて




