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今際の夢  作者: lycoris
今際の夢
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靴と声

不定期更新に甘えてだいぶ時間が経ってしまいました。

お待たせして本当にすみません。

テスト前の大事な授業を、復習しないのにメモだけを取り満足して過ごした現在は昼休み。

今日の昼飯は母が泊まってくると思ったらしくパンになった。

仮に泊まったとして昼飯の料金は後で渡すつもりだったらしい(俺は余り信じてないが)。

貰うのが先になっただけだが、しっかり貰えたので安堵(あんど)している。

大した金では無いが薄い財布を厚くするには十分だった。

ただ、それはほんの少しの間だけで、財布はもうすぐ元の厚さに戻ろうとしていた。

それを避けようと多少消費を減らそうとするが、既に減っていた腹には抗えず、きっちりと使い切ってしまい、そうして俺の財布はまた薄くなった。

購買部での買い物を済ませて教室に戻り、いつも一緒に食べている友達のグループの(もと)へ向かった。


「あれ?お前今日弁当じゃないの?」

「ああ、残念ながら。」

「お前のお袋さん大変そうだもんな、お前が居るから。」

「俺は家でもいい子だ。成績だけが人間の価値を決めるものじゃないと俺は信じている…いや、確信している!」

「言い訳乙。お前がバカなせいで親は夜な夜なお前の将来を心配して寝付けず、それが積み重なってって今日は寝坊してしまったんだな。うん、そうに違いない。」

「妄想乙。俺のお袋はそんなやわじゃない。それにただでくたばるわけがない。」

「なんだ、ただのマザコンか。」

「男の子は誰だってママが好き。これも(さが)か…」

「何(さと)ってんだよ。じゃあ親孝行してる人にもマザコンって言うのかよ。」

「落ち着けよ、何もマザコンが悪いとは言ってないだろう?それにママも子供が好きだ。両想いじゃないか。」

「お前悟り過ぎだろ。」

「てかママってお前…『母ちゃん』や『母さん』ならまだしも普通『お袋』だろ。」

「標的をすり替えたな。なあに、恥ずかしがる事はない。英語圏だといくつになろうと『ママ』なのだから。」

「「ここは日本だ。」」

「HAHAHA、ソーリーソーリー。まあ普段は『母さん』って呼んでるがな、俺は。」

「最後強調したって今更お前が怪しいのは変わらんぞ。」

「不審者が何か言ってる。」

「てんめぇ、人を見た目と成績で決めつけるなってあれほど「でもそれで大体第一印象とかが決まるぞ。そこからはお察し。」」

「ぐぬぬぬ、反論出来ん。」

「ふははは、無様無様。」


グループと言っても少数の集まり、3人ほどで教室の後ろの窓際に机を固めて食べてる。

いつも騒がしいが、だいたいは小言や愚痴など飯が不味くなる事ばかり。

たまにメシウマが混じっている事もあるが、結局どんな話をしようとこのメンツで食べると何でも美味く感じるから不思議。

周りからの騒音はあるが、介入はほとんど無い。

逆にこちらからの接触も当然ない。

なので昼放課中はずっとこの場にたまっている。

いつも通りに談笑しつつ箸を進め、片付け終わる頃には皆一様にスマホを弄りながら会話を続けている。

そして、予鈴が鳴ると、各々少し残念がりながらも自分たちの教室へと戻って行く。

やっと静かになった。

本チャイムが鳴る前に、次の授業の準備を終え、朝読でも読んでいる本の続きを(ひら)く。

そのまま授業開始の挨拶まで読み続ける。

そして授業は、睡魔に身を委ねて…

と、いつもは寝てるが、テストが控えているので、最近は格闘中だ。

いつからかと言うと、挨拶が終わって着席した後すぐ。

小テストがある時は名前を書いてる辺りから。

きっと読むのに疲れているのだろう。そうに違いない。

だが、私は読むのをやめない(キリッ

そう言い訳して適当に小テストを埋めたあと、回収までの間に再び本を読む。

小テスト回収の後、本を素早くしまい、同じ速度で教科書ノートを前回からのページを開ける。

その速さは、回収して確認を終えた先生が「じゃあ授業やるぞ〜」といい終わるのと同じくらいだ。


授業も終わり、掃除の時間だ。

さあ掃除だ!というテンションなはずもなく、眠い目をこすりながら担当場所へ向かう。

担当場所は廊下なので自然と他のクラスの生徒とも会う。

そんな中で昼飯のメンバーとも、一部だが会う。

そいつらに起こされるわけだが、サボってると見なされるため、目が冴えたらすぐに掃除に戻る。


掃除も終わり、自分の席の椅子を降ろし座る。

帰りのSTが終わるまで本を読む。

周りではテスト勉強をしている者もいるが、俺にはこの後に補習があるのでそれを言い訳に読書に励んだ。


授業中に散々寝たので補習中は何とか起きていられた。

さすがにマンツーマンでは寝ないだろうと始めは思ってたが、何度か危なかった時があった。

先生がトイレやプリントを取りに行ってる間の記憶がないのは最近からだ。

補習が終わる頃には少し頭痛がする。

痛みも小さければ時間も短いのでたいして気にしてはいないが。

だがそのおかげで先生の問いに適当に答えてしまった。


例の如く再び先生の家に向かってる途中、何かを忘れている気がしたが思い出せない。

忘れた事は一つだけじゃない気がする。


悩んでいる間にも先生の家に着いてしまった。

家の中に入ると、忘れていた事を思い出した。

「あ!」

家に入ってすぐ、靴を脱いだ時にピンと来た。

明らかにおっさんが履くには小さく、さながら少女向けの靴があった。

「どうした?」

急に声を上げたのだから心配されるのも当然。

「いや、ちょっと忘れてた事を思い出しまして…」

いい言い訳が思い浮かばずうやむやにしようとしたが、さすがは中年、

「何だそれは?」

深く追求してくる。

「あーっと、あれです。そろそろ欲しかったゲームが出るなーと思いまして。」

「お前はな〜。そんな事言っとる場合じゃないだろうが。」

苦し紛れだったが、何とかうまく誤魔化せたようだ。

「今まで忘れてたんですがね、はは。」

このままの流れで家に上がって、前来た時の部屋に向かった。

「ただいま〜。」

「おかえり〜。」

「お邪魔しまーす。」

?あれれ?

独身中年男性の家から幼い子供のような声が聞こえてきたぞ。

前はこんなやり取り無かったはず。

むむむ?

当初の予定ではもう2ヶ月は早くこれを上げる予定だったのですが、何だかんだぐだってこのように遅れてしまいした。

(本当はもう少し遅れる予定でした。)

私もセンター1週間前なんで、何というか現実逃避で…


そんな訳で2月くらいはまともな不定期更新に出来そうです。

次回の掲載はそう遠くないはずなのでまた、しばしお待ちいただけるとありがたいです。

遅れてもなお読んでいただき誠にありがとうございます。

よろしければ次回も…

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