三度再会
「てなことがあってさ。」
「「へー」」
今日の朝早くに学校に行って荷物を回収した。
その時に思い出した。
昨日の「七海」って女の子何処かで見かけた気がする。
「じゃあ家に着いたの何時よ。」
「12時前。鍵開けたら親が飛んで来てめっちゃ怒られた。」
「はは、だろうな。」
「だから、公園で遊んだ後友達の家で寝落ちしたって事にしてあるから、よろしくな。」
「おう、任せとけ。」
「御意!」
「「「はははは」」」
普段やる事もないし寝るのは早い方だが、
昨日は【女子のベッドで寝ていた。】という事にドギマギして寝付けなかった。
朝は親に頼んでおいたので、早くに叩き起こされた。
そのまま学校に行き、授業中はいつもより眠っていた。
それでも腹は減る。
いつも通り秋悟と周助と一緒に教室で昼飯を食べていると、1年生がやって来た。
女子2人と男子1人。
御鏡さんと誰かと誰か。
全員俺の方に来た。
え?何事?
「こんにちは鈴木さん。体調はどうですか?」
御鏡さんがスッと手を差し出された。
「え、別に大丈夫だけど。」
とりあえず握ってみた。
向こうも握り返してきて、
気が済んだようですぐに離した。
「よかった、暖かいです。」
「え、お、おう。」
なんだなんだ。
「はぁ、心配かけさせやがって。
この子にお礼言ってよね。」
おそらく1年生だろうに、もう一人の女子は偉そうだ。
「あ。ありがとう?」
「後、ウチにも。」
「え?あ、ありがとう。」
その女子は一つ頷いた。
「じゃあ帰ろ、御鏡。」
「待って。」
帰ろうとした女子を御鏡さんが止めた。
「この人がたぶん七海ちゃんが探してた人。」
「え?マジ?」
何の話だ?
「あんた昨日の事覚えてるか?」
「え、昨日の、こと、?え〜〜っと、ぉ〜?
んー、確か昨日は学校から逃げ帰って、
どっかで気を失って、
その後目が覚めたら知らない女子の家のベットで寝てて、ってくらいしか覚えてないけど…」
「ん、待って。昨日学校で何してたかは覚えてるの?」
「…うん。覚えてると思う。」
「何してたの?」
「田淵にテストを渡しに天文オカルト同好会に「オカルト天文同好会です。」…ごめんなさい。」
なんの抑揚もない声だったからちょっと怖かった。
「えっと、オカルト天文同好会に行って、用が終わったから帰りの荷物を取りに行って、その後、階段で…」
あ
「その後階段で?」
この子よく見ると・・・
「あ、階段で転びかけた!だけだよ。」
「本当に?」
少しドスの混じった声。
これはほぼ確信してるよ、ほぼバレてるよ。
俺が目を逸らしたの見逃さなかったよ。
「う、うん。ほんとほんと。」
「じゃあ、昨日見た色は!?」
いきなりクイズが始まったが、俺が何かを考えるより先に、
さっきまで空気だった男子が手を挙げ答えた。
「赤だよ!」
余計な事を。
「赤?」
「…てめぇよくもすっとぼけやがって!」
「え?」
聞き返したつもりが回答扱いになっていた。
それにしてもまさか女子に胸ぐらを掴まれる日が来ようとは夢にも思わなかった。
「覗いてたんだろ!?」
たださえそんなに女子と接点は無かったはずなのに、
あられもない疑いもふっかけられて。
「待て待て待て」
「うくくくく」
男子は腹を抱えて笑ってる。
「まだ言い訳すんのか?」
怖いコワいこわい。
こういう時テンパると余計苦しくなるってのは分かってるけど、分かってるけど。
「いや、待って待って、覗いたって何をさ?
昨日の事あんまり覚えてないのは本当なんだよ。」
「しらばっくれんな、私のパ「まあまあ」」
怒り狂う女子の肩を御鏡さんが叩いた。
「んだよ?」
そこでちょうどチャイムが鳴った。
「そろそろ戻ろ。犯人は分かったんだから。」
「ちっ」
うわ、人に舌打ちされるなんて滅多に無いし、しかも女子からなんてメッチャ心に来る。
やっと解放された。
「覚えてろよ。」
あー、やっぱり昨日階段で泣いてた子か〜。
「お騒がせしました。それでは鈴木さん、また。」
女子2人が帰った後、秋悟が演劇の練習だと言うと、話を聞いてたクラスメイトは納得した。
こんな演劇があってたまるか。
というか、それで通じるのかよ。
本編につまるとついつい逃げたくなりますね。向こうはシリアス全開ですから。




