表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今際の夢  作者: lycoris
the end of the world
140/140

今際の夢 十10 杏夜編

「痛い?

それは誰の痛み?」

「金!、ちゃ!?」

「夢はみれそう?

いい夢を?

…それは誰の夢?」

「なん、で!?」

「今際の夢をみるためには必要なんでしょ?」

「!?」

「願いを叶えるためには必要なんでしょ?」

「そ、れ、は、!」

「大丈夫、罪なら背負うよ、

罰なら受けるよ、

僕が、責任も取る。

全部僕がやっておくから、

だから、どうか君は忘れないで。

それが宿題なんだから。

どんなに、どんなに夢を夢みたったて、

それは夢でしかない。

夢は、現実にはならないんだよ。」


何故だ?

なんでだ?

どうしてだ?

どこで間違えた?

身体が重い。

体が痛い。

傷から漏れ出る熱で体が冷めていく。

寒い。

冷たい。

怖い。

それでも熱を保とうと震える体。

その微かな熱も既に

今際の際、

…宿題?

宿題…

なんだっけ。

宿題

忘れない

忘れたくない。

それでも思い出せない。

覚えていない?

宿題..?



「て言うのが、前のループで俺が見た最後の景色。今際の際だ。」

「それ、僕に話していいの?」

「分からん!

でも、このままにじっとしていてもしょうがないから、相談したの。」

「うぅーん。そっかー。」

「それで、当事者としては何か思う事はある?」

「その説明が嘘偽りなく全部本当なら、

何となくは分かる気がする。」

「すっげぇフワッとしてるな。」

「当事者って言うけど、その時の状況とそれに至るまでの君が知らない過程もあるだろうからね。」

「それはごもっともで。」

「それを踏まえた上で、

僕は_きっと君を助けるためにそうした。んだろう。

何がどうしてそれが助けになるかは、今となっては分からないんだけどね。」

「まあ、恨まれてる事はあるかもしれないけど、金ちゃんに殺される程の事は

悪いけど身に覚えがない。」

「うん。

だから、杏ちゃんを困らせるためじゃなくて、その逆。

それなら説明がつきやすい。」

「んー、なるほどね??」


「それで、今回はどうするの杏ちゃん?」

悠也(あいつ)に何度聞いても返ってくるのは『忘れてくれ』ってだけ。

きっと前のループの俺は忘れていたんだと思う。」

「なんでそう思うの?」

「悪いけど俺は金ちゃんほど頭良くないから、

感覚、そんな気がする、としか言えないかな。」

「杏ちゃんがそう言うなら。まあ。」

「忘れてもなおループするならそれは間違っていた、って事でいいんだよな?

俺が忘れていたがせいで、悠也(あいつ)と出会ってしまう。

その結果が前のループ…

詰んでないか?」

「いや...

間違えてないよ。

間違えているのは、出題者の方だ。」

「どういう意味?」

「杏ちゃんは間違えてない。

なら正解だよ。

問題の意図しない解答。

それは正しい、絶対的に。」

「ならどうして?」

「だから、僕の宿題なんじゃないか。」

  「もっと分かりやすくして」

 「君が、僕だったら」



「君がその時そこに残された僕だったら?」



状況を再度呼び起こす。

「何を思う?」

あの場には、俺と,悠也と,望と,女の子と,望の祖母。

「何をする?」

死者が3人と生きている人間が3人。

きっと女の子は更に悲鳴を上げるだろう。

望は、どうするんだろう?

金ちゃんはきっと、何もしないんだろう。

目撃者を殺すでもなく、自分も後を追うでもなく、

黙々と飛び散った血を掃除しているかもしれない。

「何を語る?」

きっと警察に捕まって、罪を認めて、罰を受けるのだろう。

でも、それは本当に前の世界の金ちゃんのせいだろうか?

俺が余計なことをしたから?

    「僕ならきっと、笑って君を許すよ」

「!...」


「俺はどうすればそれに報えるのかな?」

「その言葉できっと報われるさ。

僕じゃない僕だけど、それが宿題の答えでいいと、“僕は思うよ”。」

「ごめん。

いつもありがとう…」

「君は、本当に違うループから来た杏ちゃんなんだね。」

「ああ。

今までこの世界で生きてきた『田淵杏夜』はもういない。」

「そう、なるよね」

「こんな事はもう最後にするよ。

今度こそ。」

「うん、今までだってきっと同じだったんだ。

それに杏ちゃん自身だって苦しんでいるはずだ。」

「「終わらせよう。これで最後にするんだ!」」


わざとらしい前振りに2人揃って好きなアニメのセリフをハモらせる。

どの世界だろうと、金治と杏夜は友達だから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ