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今際の夢  作者: lycoris
the end of the world
137/140

今際の際夢 杏夜/ 七 走馬灯

「何それ?」

「知らない?」

「知らないよ。」

「思い当たらない?」

「うーん、うん。

分かんない。」

修也の身近な友人、周助に聞いてみた。

「何も分からない?」

一緒に居た秋悟にも聞いてみる。

「俺にも分かんないや。」

「そっか、

そうか…」

「それがどうしたんだ?」

「や、誰に聞いてもわからないから、虱潰しに聞いてる。」

「何で俺たちなんだ?」


金治に似た雰囲気を持つ秋悟。

見透かしたような問い。

「鈴本に関係するからだよ。」

隠すよりも踏み込んだ方が協力を仰げるかもしれない。

今、そう思えるのはこの回の金ちゃんのおかげだ。

「どう関係してるんだ?」

「それが、分からない。」

大袈裟にお手上げを示す。

相手は演劇部の部長。

「じゃあ、またなにか分かったら教えるよ。」

「ありがとう、助かる。」


「助かるついでにさ、もう一つ聞いていいか?」

「長くなりそう?」

さっきから置いてけぼりの周助は若干開き気味だった。

「簡単なアンケート。

もし、死ぬとしたらどうする?」

「藪から棒だな。」

「どういう事?」

「もし次の瞬間に死ぬとして、

死の間際に何を思うか?

っていうアンケート。」

「そりゃあ、まあ、

その時になんないと分かんないんじゃね?」

「それを聴いてるんだよ。

もしも、だ。」


「俺は、

俺なら最後まで足掻くかな。

やれる事はやる。

無駄でも。

それで死ぬなら後悔もない。かもしれないかな。」

「あー…

うーん…、

俺は、

やっぱり分かんない。

多分考えてるうちに呆気なくおっ()ぬのがオチだと思う。」

「どうした周助?珍しく上手い洒落じゃんか。

明日死ぬのか?」

「冗談やめてくれ。

惨めに長生きするつもりなんだから。」

「だろうな。

んで、俺たちの参考になったか?」

「参考になったよ。ありがとう。」

「お前は?」

「?」

「お前はどうなんだよ、田淵。」

「俺は、


足掻いてると思う。

ただで死ぬなんてごめんだ。

ってね。」



「どうだった?」

「収穫無し。」

「そう。」

「そっちは?」

「あったよ。」

「えっ!?本当!?!」

「心外だなぁ。」

お茶を並べる金治。

日が落ち切った後の部室。

「どうだったんだ?」

「聴いてる感じだと…

まあ、走馬灯だろうね。」

「走馬灯?」

「人が死に際に見ると言われる夢。

言われれば納得だよね。」

「走馬灯、」

「杏ちゃんは見たことある?」

「いや、無い。ような?」

「どっちなのさ」

「…。何となくだけど、違う気がする?」

「その根拠は?」

「ハッキリとはしてないから上手く言えないんだけど、

わざわざ言い換える必要があるのか?」

「でもそういうの好きでしょ、杏ちゃん。」

「あー、いや、まあ、そうなんだけど、ね。

今言ってるのは「ごめん、分かってるよ。」」

「うん。あー、

何だろうな。何て言うんだろう?」

「…まあ一旦置いておいて続けるよ?」

「うん、お願い。」


「その走馬灯を、

今際の際の夢をみれるのが、

彼みたいなんだ。」

「どうやって?」

「方法はわからない。

でも、彼は他人(ヒト)のソレを誰かとみる事が出来るし、会話も出来る、らしい。」

「走馬灯に干渉するって事?」

「おそらくは、ね。

やり方はこの際分からなくてもいい。

ただソレをみて何になるか?

どうしてソレを彼がみるのか?」


「近づいたようでまだ分からない事ばっかりだね。」

「うん。」

「…馬鹿な事は考えないでよね。」

言い出す前に金ちゃんに釘を刺された。

「無茶は禁止って言ったよ。」

「_うん。」


それはもう分かっている。



それはもう、試しているから。




それはもう 痛いほどに 

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