what I can do 5 コネクト
部屋を分けて各自寝床についた。
七海と不合は七海の部屋で、
杏夜は持参の寝袋、悠也は本人の希望でソファ。
寝静まった深夜。
ふと目が覚めた杏夜。
体は動かない。
重い。
「ん、…ん…、」
ビクともしない体と震えない喉。
息苦しさに次第に意識が覚醒する。
力が入らない四肢で必死にもがく。
吐息を漏らすだけ精一杯。
これが金縛り、なのか?
時間が分からない。
何も見えないがおそらくまだ夜なのは確か。
自分と時計の針以外の物音がしない。
いつから、いつまで続いているかも分からない。
夢なのか現実なのか。
ソファの軋む音がした。
、鈴本が起きたのか?
「あ_、あ ̄、ーぁぁ、」
俺と同じで金縛りにあってるのか?
「あaa、ぁ、ん、んん…」
呼吸を整える悠也。
「あいかわらず重いんだよ、君。」
悠也が語り出した後から耳鳴りがする。
「僕は初めてじゃないんだ。
僕は君に会う為にここに来た。」
「この身体を君に貸す為に。」
「それがこの躯の願いになるから。」
耳鳴りが止まない。
囀るように語る悠也の言の葉を
遮るように。
やっと治まった頃には
さっきまでが嘘だったかのような静寂。
時計の針と、自分の鼓動と、他人の寝息。
金縛りが起こる前よりも重い体。
寝よう。
そう思って何度目か、やっと寝付けた。
朝、チャイムの音で目が覚めた。
一瞬ここが何処だか分からなかったが、
周りの物音で頭が働き出した。
来訪者は金治だった。
その手には朝食のパンを携えて。
「ふわぁーあー」
情けない欠伸をしながら身支度をする。
他人の家なので余計に気を使いながら。
「みんなおはよう。」
「おはようございます。」
「おあおー」
「これ、よかったら食べて。」
「ありがとうございます。」
「「「「「いただきます」」」」
手狭なテーブルを感覚を開けながら囲む。
「昨日はどうだった?
何か収穫はあった?」
「何もなかったです。」
「…」
「……。」
「3人はあったの?」
「…俺は、無いっすよ。」
「私は、案の定金縛りが。
でもいつもと違ったって言うか、
なんて言うか…」
「やっぱり起こったか。
でも、何が違ったのかな?
言葉に出来ることだけでいいから。」
「はい…いつもよりも、短かったような、
でも、、寂しくなった?胸が軽くなった?」
「うーん、」
「杏ちゃんはどうだったの?」
「耳鳴りが、ちょっとかな。」
「あ、それは私もあったかも。
いつもは金縛りだけだったのに。」
「うーんん、」
「そうだ、お前、昨日何か喋ってなかったか?」
聞かれた悠也は一瞬目を逸らし
「いや、寝てたけど?寝言いってた?」
明らかに嘯いた。
今朝からか悠也には違和感がある。
いや、昨日の夜からだろうか?
「ご馳走様でした。
俺、今日は用事あるんで、これで。」
誤魔化す為か一息に食べ終わった悠也は、
七海を一瞥して帰っていった。
そんな悠也を尻目に
「なんか、怪しいんだよな。」
「私も思った。」
「?」
「じゃあ、決まりだね。」
これからイタズラでもするかの様にわらった金治を筆頭に、
今日の部活内容が決まった。




