what I can do? 4 猫
いつの日か枕元に立っていた。
最初は気の所為だった。はず。
ただの金縛りだった。はず。
いつの間にか彼は弟だと分かった。
ただ見下し見ていた。
何をするわけでなく。
何かを伝えたいのだろうか?
何を?
姉弟仲は悪くなかった。
お互いに思春期では有ったが、
たまに言い合いの喧嘩もあった、
それでも互いを家族だと認め合っていた。
_はず。
一通り七海からの話を聞いたオカルト天文部。
結論、解決策など出なかった。
「せめて安眠出来るように。」
そう言った悠也の提案を不合が形にした作戦を実行する事になった。
所謂お泊まり会。
七海は進学にあたり一人暮らしをしているらしい。
親の気遣いで広めの部屋らしい。
学校に泊まることはさすがに出来ないので、
都合がついた者で泊まる事になった。
当然男女で部屋は分ける。
意外にも七海は作戦を受け入れた。
よほど困っていたようだ。
何の解決にもならないが、せめてもの楽になってくれれば部としても幸いだ。
善は急げと早めの予定になった。
金治は予定があるようで不参加になったが、何かあれば力になると言った。
当日、七海のバイトが終わるまで公園で待っていた。
公園に堂々と居ると補導がされかねないので正確にはその周りをブラブラしていた。
すると、同級生を見かけた。
その隣に妹さんらしき女子。
「何してるの?」
振り返る少女は泣いていた。
覗き込む先に猫が横たわっていた。
「……。」
「っ…」
声が出ない一同。
皆、瞬時に理解したのだろうこの状況を。
声をかけるべきではなかった。
彼女達の思いなど推し量れるものではない、
ゆえに自分本位の身勝手な後悔。
「みんなどうしたの?」
後ろから七海の声。
原付を降りてこちらに向かってくる。
「あー…、
そういう、…」
「…これで揃ったし、行こう。
僕たちがここに居てもしょうがないから。」
「でも…」
渋る不合の肩を七海が叩いた。
「死んでるんだろ?」
少女たちの前に立った七海。
「年にも見えないし、肉付きも悪くなさそうだな。
事故か?」
「うん…」
頷く少女。
「そうかぁ。
しょうがねぇ、
それならしょうがねぇよ。」
「…。」
「諦めな。
死んだものは生きからない。
生きてるの奴に出来るのは、そいつを忘れない事だけだ。」
「…。」
「埋めてやれよ、せめて。
それしか出来ないんだからさ。」
「ぅ、ぅぅ…」
小さな嗚咽がやがて堪えきれずに溢れ出した。
「泣いててもしょうがねぇよ。
嫌でも進むしかないんだ!」
「それが分かってても!
受け入れられないから辛いんでしょ!」
七海の頬を叩いた同級生、二三四。
「これ以上妹を追い詰めないで!
何も知らない癖に。」
「それが姉貴の言う事か!」
七海の振り上げた手を悠也が止めた。
「それ以上は自分も傷つける事になる。
それに、誰も浮かばれない。」
「。
あっそうかよ」
悠也の手を振り解く七海。
「待って。
頼みがある。」
原付に跨る七海を止める悠也。
「嫌だね!」
悪態をついて七海は行ってしまった。
「あれ、そういえば、俺たち七海の家知らねぇじゃん!
どうする!?」
今更に取り乱す杏夜。
「大丈夫だって。」
「そうは言っても、お前なぁ、
「鈴本くん、とお友達さん?
悪いけど私たち二人だけにしてくれない?」
「あ、ご、、ごめん。
お邪魔でしたね。」
「無理。」
「お、お前!」
「どうして?」
「我が部としては放っておけないから。」
「何も出来ないのに?」
「せめて、」
食い下がる悠也の後ろから原付のエンジン音。
戻ってきた七海はダンボールを抱えていた。
「ふん」
無愛想に二三四にダンボールを渡す七海。
「わざわざ持って来てくれたの」
「…私も、姉貴だったから。」
言い捨ててまた去って行く七海。
「ありがとう。
ごめんなさい、」
その背に呟く二三四。




