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今際の夢  作者: lycoris
the end of the world
125/140

what I can do? 2 些事

「失礼しまーす」

全員揃っているはずの部室に誰かが来た。

窓の外を見るといつの間にか鈴木が居なくなっていた。

いつの間に考え込んでいたのか?

「田淵くん居ますか?」

俺はどう答えれば…


「やあ、入部希望者?」

「え?違います。」

「あれ?間違えたか?」

「コレ、飛ばして来たの君でしょ?」

「ああ、悪いな、まさか人に当たるとは、

 ごめん。」

返されたテスト用紙。

裏には落書きがなかった。


あぁ、どうりで、

ぁあ、歴史を変えてしまった。

「にしても、ここで何してたの?」

「…

 …興味あるか? 

 『オカルト(天文)部』に?」

「何それ?」

「部長!」

「え?ああ、うん。

 ようこそ、天文 (オカルト)部に。」

「えぇ?」


鈴木の相手を金ちゃんに丸投げして、

入部届けを探すふりして身の振り方を考える。


今後の予定(できごと)を思い出す。

そこに軌道修正しなければ。

アニメや漫画だと、些細な変化で未来が大きく変わる。

最悪の未来、誰かが死ぬ可能性…

その逆、誰も死なない未来…

どうしてか分からないが過去に戻った以上、下手な事は出来ない。

いつまで続くのか、

仮に死んだ後、またループするのか。

今の俺にはどこにも保証はない。

 急なプレッシャーに吐きそう。


「どうだ?」

一通り金ちゃんが説明した所に入部届けを差し出す。

(ここで、どうなる?)

1人だけ固唾を呑む。

「同好会を部にする為に手伝ってもいいけど、

 まずは帰って親に聞いてみる。」


若干、違うか?

いや、元々の入部は明日だったはずだから、これでいいはず?

_そもそも鈴木の親って…

「じゃあ、今日は失礼します。」

「じゃあな。」

去って行く鈴木の背中に妙な懐かしさが込み上げて、

目頭があつくなった。


鼻水をすする俺を金ちゃんが物珍しそうに覗き込んでいた。

「どうしたの?今日の杏ちゃんおかしいよ?」

「ああ、自分でも分かってる…

 分かってるけど、

 分かってても上手くいかないもんだね。」

余計に訝しむ金治。

「入ってくれるといいね。」

「え、まあ、うん。」

「きっとあいつの事だから入ってくれる。」

「顔見知りなの?」

「…今日初めて喋った。」

「えぇ…」

「ただ、そんな気がするだけ。」



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