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今際の夢  作者: lycoris
the end of the world
124/140

what I can do? 1

」おはよう。「

「…。」

」おはよう!「

「…。」

」どうしたんだ田淵?

元気ないぞ「

「…。」

」おーい!「

「何でここに居るんだ?」

」そんな事より、

 早くしないと遅刻するぞ?「

「ん?ん!んん!?」


ベッドから飛び起きた杏夜は急いで身支度をする。

「どうなってんだ?」

」何が?「

「お前、幽霊なのか?」

」失礼な、勝手に殺すな「

「じゃあ説明してくれよ!」

」それは僕の口からは言えないな「

「じゃあ誰に聞けばいい?」

」そうやってすぐ人に頼る癖直した方がいいと思うよ。「

「うるせぇ!俺の頭じゃ理解が追いつかないんだよ。」

慌ただしいまま家を飛び出す杏夜。


「俺以外には見えてないのか?」

」まさしく君が待ち望んでいたシチュエーション。「

「まさかな、だからこそ整理出来ない。」


」なら、今の君に僕が語ることは無いかな。「


「おい、どういう事だよ。」

背後霊のように着いてきていた悠也は居なくなっていた。

急に枕元に現れて、

夢の様に居なくなった。

これがいわゆる狐につままれる。か。

考える時間も惜しい杏夜はとにかく足を動かした。


そうして始業にはぎりぎり間に合った杏夜が異変に気付いたのは、

授業が始まってからだった。


順番に名前を呼ばれ返されるテスト。

相変わらず褒められた点数ではないが、

何気なく子守唄に聴いていたテスト直しに違和感を覚えていた。

テスト勉強なんて(ろく)にしてこなかったから、

気づくのが遅れた。


俺が望んでいたモノ。



部室に着くと杏夜が一番最後だった。

 「ちゃーっす!」

「お疲れさま、杏くん!」

「こんにちは。」

 「鈴木は今日も来てないか。」

「「?」」

 「まあ、ちょうどいいか。

  あのさ、金ちゃん、」

「何?」

 「ぁ…いや、やっぱ何でもない!」

「どうしたの杏くん。

 いつにも増しておかしいよ?」

 「まあ、ね、」

今朝、言われた言葉が引っかかった。

今になって考え始めた。

何かを、『なにか』を、、


漠然としていて思考がまとまらない。

気が付けば違和感を覚えたテスト用紙で紙飛行機を作っていた。

先程まで眺めていたはずの、無意識のわりにはよくできている。

息詰まった気晴らしも兼ねて、窓から紙飛行機を飛びす。


この時間人通りは少なく、今日は風もない。

が、思ったよりもよく飛んだ紙飛行機は男子生徒に当たった。

振り返ってこちらと目が合う。

大袈裟に謝るジェスチャーをする傍ら思い出していた。

この後、彼は沖先生に鉢合わせて…

そこにたまたま通りかかった用務員さんと…

それから明日になって彼は俺を尋ねて強引な勧誘を受けて…、

それから、…

 それから…、

  それから、


最期に彼は、…

自分で、自分を、殺してしまった…、…。


俺は、何も知らず、

何も考えなかった。

そんな俺が、

田淵 杏夜が望んだシチュエーション。

今朝に悠也が言っていた回答。


これから俺には何が出来るだろう?

考えもしなかった事を考えながら、ただ呆然と立ち尽くした。


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