継ぐ者
「この時間は珍しいな。」
「今日は部活が休みだからな。」
「もうすぐテストだからか?」
「いや、俺以外みんな用事があるんだって。」
「ふーん、。で、何買う?」
「いつもの」
望の駄菓子屋で買い食いする悠也。
ちょくちょく顔を出すようになってから好みが固まってきた。
本来は自分で会計まで持っていくが、
望が場所と値段を覚えるのも兼ねて取ってくれる。
「はい、120円」
「ほい」
凍らせたチューペットを膝で割って片方を望に渡す。
「俺はいつでも食えるから要らないのに。」
「じゃあ、私貰っていい?」
悠也と望が固まった。
「こんにちは、本当にお店やってるんだねー。」
突然の香の来訪。
当然、薫も居る。
「よお。」
「200円ね。」
「やっすーい。」
「こんなもんだろ。はいよ。」
小銭と、カバンにしまってた箱を取り出した。
「それとコレ。
お前らに。」
「え、何コレ?」
「俺たちが帰った後に開けろ、いいな?」
「うん、分かった。」
「玉手箱か?」
「んなわけ。
迷惑かけたな。」
そっとはにかんだと思ったらすぐにそっぽを向いて帰ってしまった。
それに続いて手を振って帰る香。
「開けようぜ!」
「だな!」
綺麗に包装されていて中は分からないがおそらく、
「駄菓子屋に菓子折り持ってきたぞあいつ。」
2人して笑っていた。
「そういえば、継ぐの?」
「いいや、俺は継がないよ。」
「意外だな。」
「お前が継ぐか?」
「意外だなぁ。」
「その方がばあちゃんも喜ぶかもな。」
「、やめとくよ。たぶん俺には向いてない。」
「そっか。」
「にしても美味いなコレ。」
「そうだな。」
夜
家に帰った
誰も居ない
つまり
自分だけ
今日も生き延びた
醜く
父は死んだ
事故で
母は死んだ
事故で
俺は生きた
事故で
今際の夢で出会った人に、神に
生きたい と
義理は通した
神の願いを叶えた
後は俺の願いを叶える
俺だけの願いを叶えるだけ
叶えてもらう
夢を
そんな夢を
今は
夢の
今際の夢の
中




