香とユウヤ
「姉さんは、あいつの事、
鈴本の事はどう思ってるんだ?」
「どうって言われても…
じゃあ、どう思ってると思う?」
「…、っ、。…
好き、なのか?」
「まぁ、それは前提として」
「え」
「何でだと思う?」
「ぇ、あ、え?」
「何でですか?」
動揺で固まる薫を他所に周助が聞いた。
「昔に彼に救われたの。」
「「え??」」
「覚えてない?
私が昔、今みたいに入院してた時、
同じ病院に彼も入院してた。」
「ねぇ。」
◯◯は振り返った。
「?」
「あなたはどうしてここに居るの?」
同い年くらいの少女に問われた◯◯は答えた。
「覚えてない。」
そういって笑う◯◯を見て少女は
何故だか嘘だと分かった。
「お名前は何て言うの?」
「僕は、ユウヤ。
夢をみるためにここに居るよ。
君は?」
「私は、カオリ。
昔から身体が弱くて。」
少女がユウヤに近づく。
「夢って何?」
「イマワのユメって言うんだよ。」
「それはどんな夢なの?」
「僕に聞かれても分からないよ。」
「でも夢は…?」
「うん、僕の夢じゃない。
でもきっと救われる夢なんだよ。」
「どうして分かるの?」
「今までもそうだったから。
だからきっとこれからも。」
「そうなんだ。
じゃあ誰がその夢をみるの?」
「…。」
「?」
ユウヤはカオリから目を逸らして答えた。
「鈴木さん。だよ。」
「ふーん。
救われるといいね!」
「うん。…
きっと救われる、よ。」
ユウヤは振り返った。
「僕、行かなきゃ。」
「うん、またね、
ユウヤくん!」
「
じゃあね。」
少女はユウヤの言葉を理解出来ずにそのまま見送った。
少女は定期健診の際に医者に聞いた。
「鈴木さんって入院してるんですか?」
「うーん、どの鈴木さんかな?」
「えーっとね?あれ?」
「その鈴木さんがどうしたんですか?」
「うーんと、夢をみるんだって言ってたの。」
「誰が?」
「えっと、ユウヤくんが。」
「!!???」
取り乱す医者。
「え?え?
夢?
それは何の夢?」
食い入る様に見つめる医者に少女は答えた。
「イマワのユメ、?」
おもむろに深呼吸した医者は慌ただしく看護師を呼んだ。
「エマージェンシーだ!
今すぐ手の空いてる医師を『鈴木 修也』さんの下へ行かせて。
他の者は急患の準備。
出来るだけ多くの人を集めて!」
慌ただしくなる診察室。
「ありがとう、香ちゃん。
夢に話はまた今度にしよう。
今日の診察はここまで。
ご飯を食べて良い子に寝るんだよ。」
医者は優しくカオリの頭を撫でた。
病室に戻る間にも看護師や医者達が忙しなく動き回っていた。
きっと私が夢の事を言ったからだろう。
でもどうして、たかが夢をみるって言うだけなのにこんなに大袈裟に
ふと少女の横を、ストレッチャーに載せられて運ばれていく老人が通りすぎた。
そして少女は医者の言いつけ通りに今日も眠りについた。
夢を
夢を
みた
夢見たいな夢を見たい夢を見た。
それは罪か罰か




