会談前
「今日の部活どうする?」
「帰りたかったら帰って良いよ。」
「金ちゃんはどうするのさ?」
「僕は時間までここにいるよ。
一応ね。」
「来ないと思うけどなぁ。」
「気休めだよ。
家に居ても暇だしね。」
「推薦が決まってるのは良いよね。
俺も勉強しなきゃいけないけど、
そんな気になれるはずもないし。」
「それはいつもと同じでしょ。」
「そうだけどさ。
それはそうなんだけど、さ。
…」
「…」
「俺たち、部外者だってさ。」
「…うん。」
「恋愛関連のいざこざかな?」
「さあね?」
「俺は他クラスだけどさ、少なくともイジメとかじゃ無いと思う。」
「…」
「俺、やっぱりバカだからさ、
金ちゃんなら何か分かったり…」
「昨日も聞かれたけど、何も知らないよ。」
「…。
命を賭けるほどの。
昨日御鏡さんが言ってたやつ。
…金ちゃんならどっち?」
「………死んだまま生きるよ。
本当に死んじゃったら、何も残らないからね。」
「…俺も、そう思う。
やっぱり生きないと。」
「でも、数田さんは違った。
御鏡さんや鈴木くんはどっちだろうね。」
「はぁ…はぁ…」
「……。」
「気はすんだか、薫?」
「まだだ!
殺すまで!」
「…。」
いい加減見てる俺も我慢の限界だった。
修也の胸ぐらを掴んでいる薫を横から引っ叩いた。
「もう、いいだろうが!
お前も!もう十分だろ!!」
掴む手を力ずくで解いた。
「本当に殺したら、お前の姉さんが、どう思うか考えろよ!
もうガキじゃねぇだろ!」
「っ!」
「お前は死にたいのか、そんなに!」
修也を無やり立たせる。
「バカバカしい。
もっと話し合えばいいだろうが!バカ!」
「邪魔するんじゃねぇ!」
「うるせぇ!こっちは見舞いに来てるんだよ、バカ!
お前の姉に!」
「頼んでねぇ!」
「頼まれてねぇよ!バカ!
気持ちだろうがよ、!」
全員息は上がってる。
途中からの周助に少し余裕はあるが。
「いい加減にしろよ、お前ら!
いつまでガキなんだ!
さっきっから、姉さん姉さんって!
お前も、反論しろよ!してみろよ!
あるんだろ!?」
「…。」
「…ふざけんな!
ふざけんなよ!いつまで黙ってんだ!」
「落ち着けって!」
薫を宥める周助。
「こいつには言えないんだよ。
俺たちには分からない、何か事情があるんだ。」
「そんなの
「じゃなきゃこいつは、ただ黙って殴られてない。
お前に殴られるのが分かっててここに来ない。
それくらい、分かれよ!」
「っ!!」
「お前は『姉さんの為に』を言い訳にしてるだけだろ!
自分が気に食わない事に、姉をダシに使って。」
「…お前に何が分かるんだよ!?」
「分からねぇから、話をしようぜ。
教えてくれ、よ。」
「気はすんだ?」
3人で病室に戻ると、
半身を起こして香が笑いかけた。
「何で分かるんだよ?」
「男はみんなバカだから。」
不機嫌に問う薫に
微笑む香。
「それに、怪我してるし。」
「。…」
「それは、」
「バカだから転んだんだよ。
それも派手にね。」
「嘘」
場が凍った。
「下手クソだね。嘘が。」
「ふっ」
悠也は失笑した。
「私は騙されてあげないから。」
「そっ、か、。
じゃあ、ボロ出す前に帰るよ。」
「そう、また来てね。」
「…お大事に。」
笑顔で手を振る香ににべもなく帰る悠也。




