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今際の夢  作者: lycoris
今際の夢
11/140

再会 は始まりの

店から出ると、蕨ちゃんが居た。

声をかけようとすると、瞬きをした瞬間に目の前から消えた。

そんな馬鹿な夢じゃあるまいし。

辺りを見渡すと反対側の歩道に居た。

車が来ないのを確認し渡ろうとした瞬間。

「行っちゃダメ。」

背後から急に聞こえた声にビックリして一瞬固まると目の前を車が通った。

その車の遅すぎるクラクションで頬を伝った冷や汗が垂れた。

振り返ると蕨ちゃんが笑って、

「私はここに居るから、ね?」


蕨ちゃんはこれから遊びに行く途中だったらしい。

そこに、車が来ているのに左右を確認して渡ろうとした俺が居たらしい。

車はスピード違反だったが、俺も注意不足だったようだ。

ほんの少し前の衝撃的な出来事が、まるで遠い昔の事だったようにボンヤリとしか思い出せない。

「大丈夫?」

蕨ちゃんが俺の目を見て正気を確認する。

「あはは、ありがとう。ちょっと寝不足だったかも。」

誤魔化そうとしたのに、

「お兄さんが死んじゃったら、私悲しいよ」

両手で空いていた手をぎゅっと掴んだ。

俺の手なんかより小さいのに、あったかい。

「ありがとう。」

目がうるっと来た。

何でだろうな、自分が正気だった自信が持てない。

ひょっとしたら今も正気じゃないかもしれない。

正気だからか

それすらも分からない。

正気じゃないからか

もう分からない。



今日はお菓子をお土産に先生の家にお礼を言いに行こうと思っていたが、

とりあえず、お菓子をその場で蕨ちゃんに渡して今日は帰ることにした。

よくよく考えれば、テストの結果が出てからお礼に行った方がいいと思った。

蕨ちゃんを悲しませない為に、今日は早く帰って早く寝る事にした。



その日の夢は昔々の事だった。

懐かしく狂おしく胸が苦しくなるほど、悲しく愛おしい昔の夢。

業火の教室、泣き叫ぶみんな。

早寝したせいか、その夢は長く長く、ゆっくりゆっくりと記憶を呼び覚ました。

その時の感情、感覚と胸の奥の後悔。

それらはきっと目が覚めても、心の奥に鎮座するのだろう。

生まれる前に忘れて来たもの。

今夜、分からない事が一つ分かった。

俺が死んだら蕨ちゃんがどう感じるか。

その事は、誰にも言えない俺だけの希望になった。

その希望を叶える為に、今日俺は目を覚ます。


「行って来ます。」

いつも通りのいつもより、いや今までより早い時間に家を出た。

"いつも"はいつまでもではないのだから。




勢いに任せて意味深にそのままー

ってな訳でこのお話も本編の方と繋がる予定です。

不定期なのは追い越さないため。

フライングしてスタートしたわけですね。

なので本編が進めば進むし、本編に詰まった時の気分転換に進めています。

気力が湧きに湧けば本編追い抜かすつもりではいますが。



そんな訳で、無粋ではありますが、


修也くんの片手は袋を持っています。


言いたかったのはタダそれだけです。

もっと上手い表現の仕方もあったかもしれませんが、これが良かったしこれで良かったと思います。


それでは

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