悠也と香と望 1
残された俺と薫は、ただそこに立っていた。
あぁ、これが罰なんだと、
頭の中で繰り返す修也の声に気づいた。
後を追ってはイけない。
薫は現実を受け入れられずに呆然としていた。
「俺は 罪を償う よ。
この身を持って。」
「…あっそ」
…
「それで俺は何をすればいいんだ?」
「今すぐ屋上に行って」
「君は?」
「私は私でやる事があるので。」
「そう、分かった。」
「後悔しない?」
「後悔しかないよ。」
「あっそ…」
御鏡さんを置いて屋上へ急いだ。
普段は空いていない筈がすんなりと開いた。
そこには春原姉弟と悠也が居た。
春原姉 香は端の端で立っていた。
まるで今から飛び降り自殺でもするかに様に。
「姉さん!!」
必死に呼びかける薫。
「。。」
ただ立ち尽くしている悠也。
「……。」
黙って佇む香。
風が強く吹けば今にも飛びそうな程に
華奢なその体はここから落ちればひとたまりもないだろう。
何もわからない。
どうすればいいか。
けど原因なら分かっている。
俺のせいだ。
なら、
「春原さん。」
俺の呼びかけに全員の視線が集まった。
「なにしにきた!お前!」
罪を償に来た。
「春原さんごめん。
謝って許される事じゃないけど、」
だから薫を無視して歩み寄る。
「…」
「本当にごめんなさい!
俺が償うから、
罰を受けるから、
どうか思いとどまって欲しい。」
「…」
香は微笑んで口を開いた。
「それは出来ないよ。
だから、私じゃなくて、
願いを叶えてくれる神様にお願いすれば?」
悪意を感じさせない眼差しからの皮肉。
「その神様はもういない。
だから、俺で代われることがあるなら」
「あの人の代わりは居ない!」
香が声を荒げた。
「それが分かっただけでも、
あなたには感謝してる。」
肩を震わせる香。
「だからもう、
もう私は生きてる意味がないの 」
涙を浮かべて笑う香。
「…2回目だ」
ぽつりと呟く悠也。
「やっぱり君があの時の子だったんだ。」
「たしか10年くらい前、鈴木 修也に救われた娘。」
「あ…ぇ?…っ?。?な. ,「 、」
「救う者でもって救えなかった、
何故なら願いを叶える事は君を死なせる事だったから。」
「ぇ?。え?。、。」
「俺は、彼の代わりになれる様に、彼の名前を語っていた。
そのせいで君をこんな目に合わせてしまった。
だから、
原因なら俺にある。」
「やめ。て…やめてよ、…わ、、わたし は、そんんな、事が、聞きた、かった、わけじゃ。…」
「君一人では夢は見れない。
大丈夫、俺がイって一緒に夢を見よう。
一緒の。
それで、さよなら だ。
」
過呼吸を起こしながら肩を抱いて震える香。
尋常では無い様子はまるで怯えているようだった。
そんな香に手を差し伸べ近寄る悠也。
そのてのひらを認識した香は発狂した。
「い゛や゛ぁあ゛゛ぁあ゛あああああ゛!。?!。、!!!」
それを遮る様に駆け出した悠也は、
彼女を抱いて屋上から落ちていった。
御鏡さんはつまらない様に吐いた。
御鏡さんは投げやりに答えた
あいも変わらずそっぽを向いて
やっぱり納得いかないかの様に漏らした




