修也と悠也 1
それから俺は退院した。
通院が必要だったが、あのままじっと入院しているのが耐えられなかった。
「よう、退院したんだな。」
「ああ。」
「修也の方はまだなのか?」
「もうそろそろとは聞いてる。」
「そっか。困ってたら言えよ。」
「ありがとう。」
「よう、足は大丈夫か?」
「割と平気。」
「本当に?」
「たまに痛いけど。」
「無理すんなよ。」
「うん、だから見学してる。」
「ふーん、困ったら呼べよ。」
「ありがとう。」
そしていつも通りに学校生活に戻る。
前と違うのは足の小指が痛いのと、
周助と秋悟がやけに俺を気にかけること。
まあ、俺じゃなくて、俺を通して悠也を心配しているのだろうが。
とうの悠也は、もうすぐ退院だそうだ。
それを知っているのは当人と通院している俺だけだった。
最初は詳しく聞かれたが、
ばあちゃんが死んだ と言えばみんな聞かなくなる。
聞けなくなるのだから、遠回しに探るしかないわけで。
俺だってバツが悪い。
でも、修也との約束もある。
あの後、悠也と先生から聞いた話をまとめると、
俺の願いを叶えていたのが修也。
修也の真似をしていたのが悠也。
今際の夢は2人と関わった者が、
死ぬ直前に見る夢。
先生はそれを走馬灯と言ったが、
2人はその夢に介入する事が出来る。
全員を救う神と、
その神を救う人。
ならその『神を救う人』を救う神は、いない。
また救う人も。
それが修也と悠也。
それ以上は俺の妄想になる。
が、これらを吐き出す訳にもいかず、
心身ともにむず痒い。
なんとかばあちゃんの葬儀も終わり、
足の回復につれ日常に戻りつつあった。
が、
「後で、演劇部の部室に来い。」
俺とすれ違うように休んでいたらしい
春原 姉弟の弟の薫が俺の机の前で言った。
それも睨みながら。
その顔を見れば用件は察しがついた。
と言うより、自分の事で手一杯で忘れていた。
忘れてしまっていた罪。
その罪の清算を、
その罰を受けるため、
大人しく部室に向かった。
着くとドアの前に部長の秋悟が立っていた。
「なんできた?」
「……」
「言えないか?」
「…」
「中はあいつ1人だ。
外は俺が見張ってる。
ちょっとした防音もあるから。
だから…辛くなったら逃げろ。」
「ん…」
よく人を観察してる秋悟だ。
きっと俺の嘘も見抜いてる。
それでも突き通す約束がある。
その為に演劇部のドアを開けた。
「逃げずによく来たな。」
「…」
「まあ、座れよ。」
「…」
「気を利かせてお菓子とお茶もある。
用意したのは俺じゃないけどな。」
「……」
「まあ食えよ。飲めよ。」
「……」
「美味いか?美味いよな。お高いらしいぜ。」
「。。。」
「姉さんはこんな美味いものも喉を通らない
なんにも食べてない…!
飲んでもいない!!
じゃあどうしてるかって!?」
「…」
「点滴だよ…
点滴だけで生かされてるんだ、姉さんは。…」
「知ってるんだろ?何か!
言え!言えよ!!教えてくれ…!!」
「お前と鈴本!姉さんに一体何をしたんだ!!?」
更新遅くなってきたのでまきで話を進めていきます。
進むといいな




