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VRMMOで拘束使い  作者: 因幡の灰兎
肆章 武器と生産と毒蠍
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飛び級依頼.3

「飛び級依頼.1」の最初と、その続きです。

「よろしくお願いします!」


私の前で、白いフードを被った少女、フタハが頭を下げる。

先程までとは、打って変わって元気なようだ。

礼儀正しく頭を下げる彼女のその両手には、二本の木刀がある。


「ええ。よろしく」


私も、フタハに向けて頭を下げる。

私の片手にも、一本の短い木刀があった。


そして、二人同時に頭をあげた。

視線は、互いから動かない。

その視線の端に、ルネさんが入ってくる。

そして、片手をあげた。


「準備は、良いですか?」


「「はい」」


「それでは!」


確認を終えたルネさんが、大きく腕を伸ばし、


「試合開始!」


力強く降り下ろした。


「【兎月うつき】!」


「【縮地しゅくち】!」


一瞬で、私とフタハの位置が反転する。


互いのHPが削れている。

僅かに私の方が減っているが、問題はない。


「次、行きますよ」


「はい!」


「【空振動】!」


直ぐ近くからの返事に対して、振り返った私は十八番の魔法を叩き込む。


「【丑月うしづき】!」


対抗するように出されたフタハの二本の木刀による二点突きが、私の【空振動】と真っ向から激突する。


「んんあッ!」


「おやおや」


そしてあろうことか、【空振動】を散らしてしまった。

これには流石に驚いた。


「【子月ねのつき】!」


そんな私に、フタハの木刀が向かってくる。

狙いは足だ。


「【跳躍】」


飛び上がる。紙一重でかわした。

普通の相手なら、これで私を見失うのですが………。


「………」


空中から見下ろした私と、地上で見上げるフタハの視線が交わった。

こちらの動きに着いてこられている。


「B級相当は、誇張ではないようですねぇ」


ルネさんには、悪いことをした。

嘗めていたのは、私の方だ。

相手は、強い。

なら、真面目にやるとしましょうか。


眼下の相手が木刀を逆手にもって足に力を込めたのが見えた。

跳んでくる。


「【龍月たつのつき】!」


「【空絶】」


二本の木刀による噛み付いて来るような挟み撃ちが、空気の絶壁の表面を滑っていく。

だが、それだけでは終わらないようだ。

相手の木刀が、手の中で反転する。


「【虎月とらづき】!」


先程の挟み撃ちとは真逆の、内から食い破るような切り開き。

しかも、まったく同じ軌道を通っていく。

もしも武器が木刀ではなく、本物の刀であれば、【空絶】が真っ二つにされていたかもしれない。

それほどの攻撃だった。

しかし、だ。


「それほどバランスを崩していては反撃を食らいますよ!」


役目を終え、霧散させた【空絶】の場所を貫くように、短刀の突きを放つ。

空中なので、踏み込みの代わりに体のバネを使った勢いのある攻撃が相手の額に向かっていく。


「【エアシールド】!

あうっ」


最近までよく使っていた下位の風魔法で一瞬だけ防がれるが、ギリギリ貫通し、額に当たる。

だが、勢いが削がれた突きは、全く威力がないようで、HPは減らなかった。


だが、あと少しで触れられる。

触れて【パラライズ】を使えれば、此方のものだ。


短刀を手放し、重力に従い、彼女に向かう。

数秒後には、触れられるだろう。


「ッ!【空振動】!」


しかし、その数秒を、私は咄嗟に諦めた。


「【巳月みつき】!」


緩やかにうねりながら向かってきた木刀が、【空振動】に弾き飛ばされる。


「良いですねぇ」


頬が弛んだ。


愉しい。


先に着地したフタハが、飛ばされた木刀の方へ走る。

私はそれを追わずに、落ちてきた短刀を掴んだ。


「仕切り直しですが、良いですか?」


「はい!」


飛ばされた木刀を回収したフタハの返事を聞き、私は笑みを深くした。

スキル

ロープマイスターLv50 暗器Lv29 踏技Lv3 雷魔法Lv64 風魔法Lv64 空間認識Lv43 テイマーLv46 身体強化Lv26 看破Lv38 装備制限解除(数〈Lv変化なし〉


控え

酒職人Lv3 付加職人Lv3 縄職人Lv6 道具職人Lv17 採掘Lv5 大声Lv32

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