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VRMMOで拘束使い  作者: 因幡の灰兎
肆章 武器と生産と毒蠍
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飛び級依頼.2

「あー、お弟子さん?

私の話を聞いてくれないでしょうか?」


ギルド長?らしき青年が消えていった扉の方へ手を伸ばしたまま固まっている白フードの少女に、ルネさんが話し掛けた。


「うう、話ですか?」


若干、泣きが入っている少女が顔をあげる。

話を聞いてくれる、とルネさんの顔が嬉しそうに微笑を浮かべた。

まあ、今の状態なら聞いてくれない可能性の方が高かったので、嬉しく思うのには共感できるのだが。


「ええ。

とりあえず、ギルド長には何か聞いてる?」


「えっと、来ていきなり連れてこられたので、なにがなんだか解りません」


それを聞いたルネさんの頭に角のような幻覚を見た。

まるで、怒りが形をなして現れたような立派な角の幻覚だった。


「なにも聞いてないのですね?」


「は、はい」


白フードの少女の顔に、今度は恐怖が見てとれる。

此方からは見えないが、今のルネさんの顔は大体予想ができる。

鬼、もしくは般若だろう。

どちらにしろ、あのくらいの少女が正面から相対してはいけない部類のモノには間違いなさそうだ。


………仕方ありませんねぇ。


「ルネさん。

まずは、自己紹介をするべきではないのでしょうか?

それに、怒りを表す時と場所を選んでください。

副ギルド長補佐の名前が泣きますよ」


落ち着いた口調で諭すように言った。

ルネさんは、ある程度の立場はある身だ。

少し言うだけでも効果はある。


「は!す、すみませんでした」


如実に現れていた怒りが霧散し、先程までのルネさんに戻る。

それを見ていた少女も、気が抜けたのか、ホッとため息をついた。


「私にではなく、そちらの少女にするべきだと思いますよ」


私の方へ振り向いていたルネさんに言う。


「わかっています。

怖がらせてしまって、御免なさい」


「い、いいんです。

元はと言えば、師匠が色々やってなかったのが原因ですから」


それはいけませんよお弟子さん。


「師匠………ギルド長………」


ほら、また鬼になりそうではないですか。


「はうう」


少女の顔にまた恐怖が浮かび、視線が私に移る。

思わず溜め息が出た。


「ルネさん?」


再び、落ち着いた口調で鬼の名前を言う。

それだけで、治ってくれるから楽なものではありますがね。


「は!す、すみません」


ルネさんが、再び謝った。

それを見て、少女が安堵する。


「さて、いい加減話を戻しましょうか」


そう言って、手を二回叩いて注意をそらす。

はっきり言って時間を無駄に過ごしたようにしか思えないので、さっさと次に進みたい。

面倒だが、司会の真似事をしないといけないようだ。


「まず、ルネさん。

私は、ここに依頼を受けに来たわけですよね?」


「はい。

その通りです」


「次に、そこの白フードの少女。

貴女は、ギルド長になにも聞かされずに来たわけですよね?」


「えっと、正確には『お前もいい加減、俺以外の相手が居るよな』って言われました。

でも、それ以上はなにも聞かされてなくて………」


「そうですか」


これは、あれですね。

なにも聞かされてないのではなく、なにも理解ができていないようですねぇ。

ま、見た目と言動から察するに小学四年が良いところの子供では仕方がないですか。

ルネさんも一瞬だけ目が恐くなりましたが、矛先がこんな子供ではしょうがないと言う感じで抑えたようですし。


「ルネさん」


「はい」


「大体の事は読めました。

依頼は彼女の相手ということでしょう?」


「ええ」


「ええ!?」


同じ言葉でも、ここまで印象が違うのは、日本語の特徴ですねぇ。


それにしても………


「これは、私の実力を見るための依頼だと思っていたのですが、勘違いでしたか?

それとも………嘗めてるのでしょうか?」


笑顔のまま。

しかし、確実にある苛立ちを表に立たせてルネさんにぶつけた。


「いいえ。

嘗めてはいません」


「では、なんですか?」


年端もいかない少女の相手をさせる理由は?


「その前に、お弟子さん」


「え?あ、はい」


私の話を後にして、ルネさんが少女に話し掛けた。


些か失礼な態度ではあるが、今それを追求しても相手の真意がわからない。

仕方ありませんが、見逃すとしましょう。


「ギルド長、貴女の師匠から聞いた貴女の実力は確かですよね」


「そう、だと思います。

私はそれを聞いてないから、確信は持てないけど、師匠は相手の実力を測るのは得意ですし」


「私もそれには、同感です。

バトラー様」


「なんでしょうか?」


ルネさんが、まっすぐにこちらを見て、はっきりと言った。


「私があなたに正式に依頼します。

戦闘力B級相当の彼女、フタハと勝負してください」


「へぇ」


「同時にフタハさんにも。

貴女の師匠からの強制依頼、戦闘力未知数の彼、バトラーとの勝負を発令します」


「ええ!?強制ですか!?」


人は見た目によらないという私の面白そうな視線と、未知数と言われて戸惑うフタハの視線が交わった。


「あ、武器はこちらで用意しますからね」


最後にそう言って、ルネさんはいくつかの木製の武器を取り出した。


────────────────────────

スキル

ロープマイスターLv50 暗器Lv29 踏技Lv2 雷魔法Lv64 風魔法Lv64 空間認識Lv43 テイマーLv46 身体強化Lv26 看破Lv38 装備制限解除(数〈Lv変化なし〉


控え

酒職人Lv3 付加職人Lv3 縄職人Lv6 道具職人Lv17 採掘Lv5 大声Lv32

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