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VRMMOで拘束使い  作者: 因幡の灰兎
肆章 武器と生産と毒蠍
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飛び級依頼.1

「よろしくお願いします!」


私の前で、白いフードを被った少女が頭を下げる。

先程までとは、打って変わって元気なようだ。

礼儀正しく頭を下げる彼女のその両手には、二本の木刀がある。


「ええ。よろしく」


私も、少女に向けて頭を下げる。

私の片手にも、一本の短い木刀があった。


そして、二人同時に頭をあげた。

視線は、互いから動かない。

その視線の端に、ルネさんが入ってくる。

そして、片手をあげた。


「準備は、良いですか?」


「「はい」」


「それでは!」


確認を終えたルネさんが、大きく腕を伸ばし、


「試合開始!」


力強く降り下ろした。


「【兎月うつき】!」


「【縮地しゅくち】!」


一瞬で、私と少女の位置が反転する。


互いのHPが削れている。

僅かに私の方が減っているが、問題はない。


「次、行きますよ」


「はい!」


「【空振動】!」


直ぐ近くからの返事に対して、振り返った私は十八番の魔法を叩き込んだ。


────────────────────────


ー少し前ー


「はあ」


「どうかしましたか?」


現状を考えて、思わず溜め息をついた私に、足を止めたルネさんが聞いてきた。

その顔は、少し暗い。


「いえ、ルネさんに言うのもあまりいいとも思えないんですけどね?」


「ギルドの対応のことですか?」


「おや、分かっていましたか」


軽く笑う様に言うと、ルネさんの表情がもっと暗くなった。

少し皮肉染みた言い方になってしまいましたねぇ。

こう言う所が、まだまだですね、私も。


自分で自分を叱咤している私に向かって、ルネさんが口を開く。


「申し訳ありません。

ギルドとしては」


「いえ、言わなくても結構ですよ。

世の中、事情と言うものがありますからねぇ」


理由もなく、相手を不快にするようなギルドではない事は、よく理解しているつもりだ。

只、少し現状にイラついているのを、快く思っていないのを知りたかっただけなのだ。

そうすれば、少しはこの腹立たしさが消えると思ったから。


「それはともかくルネさん。此処、訓練所ですよね?」


「はい」


廊下でそんな話をしながら、私は、ルネさんに連れられて訓練所に来ていた。


「それが、どうかしましたか?」


「いえ、依頼を受けるなら受付に行くのかと」


「ああ。

申し訳有りません。説明不足でしたね。

依頼と言っても今から受けてもらうのは、通常の依頼ではなく依頼者から直接依頼を受けて貰うものです。

ですので、難易度が適正でなくても、依頼者がB級の依頼と言えばB級の依頼になってしまうので、あまり推奨はされてません。

ですが、今回のものは私達もB級の依頼と判断しておりますので、気にせずに依頼を受けてください」


「なるほど。

要するに、依頼人がここにいて、その方から直接依頼を受けて欲しいと」


「はい」


「了解しました。

それで、その依頼人はどこに?」


周りを見ても、この場には、私とルネさんしかいない。


「もう少しで、来ると思うのですが………」


『ギルド長!書類がまだ、』


『少ししたら帰ってくるから!

ほら、着いたぞ。弟子』


『師匠、いいの?

後回しにすると、仕事たまるよ?』


『いいから、いいから』


「来ましたね」


そう言いながら、ルネさんは声の聞こえた方にある通路の入り口を見る。

その目付きは、些か剣呑だ。

………ギルド長とやらが、書類仕事を終わらせずに来たからか?


「お、居た居た。

早かったな」


「???」


そして、通路の入り口から一人の青年と一人の少女が現れた。

こちらを見ながら何か言った青年はネロさんと似た格好をしており、疑問符を浮かべる少女は少し前に見た白フードの子だ。


「ギルド長。

仕事は終わらせてから来てくださいと、申し上げておいたはずなのですが、先程の言葉は、一体どういう事なのでしょうか?」


ルネさんが、確かな怒気を込めた声で青年に聞いた。


「あー、依頼出したら戻るから、な?

仕方なく、な?」


「何が仕方なくですか!

毎回毎回、ネロに掛かる負担を考えてくださいと言っているでしょう!」


「わかった!わかったから!

あ、お前がバトラーだな?」


青年がこちらを見ながら言ってきたので、頭を下げて肯定する。


「じゃあ、これな!頼んだ!」


「おっと」


青年が投げた手紙のようなものを左手の中指と人差し指で挟む。

それを見た青年は、少女の頭をポンッとはたく。


「じゃあ、お前も頑張れよ!弟子!」


「え?あ、ちょ、師匠ォーーー!!!」


そして、弟子と呼ばれた少女を残し、青年は入ってきた入り口かろ廊下の奥へと姿を消した。

少女の叫びが無慈悲に響く。

それを、私はなんとも言えない感情で受け流し、ルネさんは同情の意を込めた視線を送っていた。

スキル

ロープマイスターLv50 暗器Lv29 踏技Lv2 雷魔法Lv64 風魔法Lv64 空間認識Lv43 テイマーLv46 身体強化Lv26 看破Lv38 装備制限解除(数〈Lv変化なし〉


控え

酒職人Lv3 付加職人Lv3 縄職人Lv6 道具職人Lv17 採掘Lv5 大声Lv32

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