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VRMMOで拘束使い  作者: 因幡の灰兎
肆章 武器と生産と毒蠍
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用水路.4

『【森魔】!』


「キュオオオオ!!!」


盗賊達の呼び声と共に現れたのは、黄緑色の蟷螂だった。

大きな体と鋭い鎌に光を浴びる蟷螂は、盗賊達には女神に見えた。

だが。

登場直後などという隙の多い場面において。

私は、容赦なくそこを突く。


「【炸裂】」


投げた八本のナイフが炸裂し、蟷螂と盗賊の両方を襲った。


「キュオオ!?」


だが、蟷螂には弾かれる。

炸裂したナイフの刃では、流石に刺さらないらしい。

なら、別の手を打つだけだ。


「【爆発】」


「キュオオオオ!!?」


「蟷螂ってそんな鳴き声あげましたかねぇ?」


疑問に思いつつもつ次の手の効果を確認する。

今やったのはナイフ二本で、蟷螂を挟み、同時に【爆発】させる攻撃だ。

爆発による衝撃波が上手く蟷螂の位置で重なるように、距離を計算しながら投げたが、上手く言ったかどうか。

爆煙の中にいるはずの蟷螂を探すように目を動かす。

しかし、それはすぐに中断されることとなった。


「ああ、悠長に見ている暇は無いようですねぇ」


目の前の爆煙を両断して、二本の鎌が迫っていた。

細く長く鋭い鎌が、私に向かって伸びてきた。

空中での回避は不利。

しかし、後ろに下がっては盗賊の士気が上がる。

なら、


「【空振動】!」


両側から来た鎌の両方を、両手で受け止めた。

正確には、掌を鎌に向け、至近距離での魔法によって止めた。

しかし、【空振動】は衝撃を放つ魔法で、細長い物のように表面積が狭いと効果は薄い。

鎌を受け止めることはできても、弾き飛ばすことは出来ないようだ。


「キュオオオオ!!!」


ここで鎌だけでなく本体も爆煙から現れた。

衝撃の合成波を受けた部分なのか、額の中心から紫の液体が溢れている。

『出血状態』だ。

ダメージはあまり食らっていないようだが、十分な成果と言える。

だが、今はそんなことは関係無い。


「キュオオ!!」


蟷螂の口の部分に渦が見える。

風の渦だ。

十中八九、魔法の攻撃だ。

空中への回避は出来ない。

唯一の出入口よりも一定よりも離れられない状況での空中の行動は、こいつのリーチの前では回避どころではない。

そして、一撃でもまともに食らえば私は、死ぬだろう。

なんせ、今は初期装備だ。

防御力はあるのもないのもほぼ変わらない。

さて、どうするか。

決まってる。

魔法を打てなくすればいい。


「【波震脚】!」


地面が揺れた。

波のように、揺れ動き、蛇のように、うねりをあげた。


「キュオオ!??」


蟷螂が波に掴まり、ド派手に転けた。

その周囲では、盗賊達も転んでいるし、フルーとノウンも転んでいた。

悪いことをした。

あとで、何かあげようと思う。

ついでに、サガさんは転んでいなかった。

というか、先程から地面に足をつけて戦ってはいなかった。

蜘蛛のように何本かの鎖を地面に突き刺して、浮いていた。

怨敵ラクドも同様だ。

風魔法を多用して、足をつかずに浮かび続ける。

それを確認したあとに、ゆっくりと歩いて蟷螂に近付いた。


「さて、」


「キュオオオオ!!!」


うねりが止まり、動けるようになった蟷螂が鎌を振り上げる────


「【疾風迅雷】」


前に、私のナイフが額の傷口を貫き、消えた。


「ふー、もう少し防御面をどうにかしますかねぇ」


ズズンッと後ろで炎魔きょじん海魔たこと同様に倒れて消える森魔かまきりを感じながら、私は絶望の表情で固まった盗賊達に凄惨な笑顔を向ける。


「覚悟はいいですか?

応答者には、氷の棺をお送りします」


「コォォォン!!!」


フルーの一声と共に蒼い焔が残った盗賊を氷に包み、棺に入れた。

スキル

ロープマイスターLv50 暗器Lv29 踏技Lv2 雷魔法Lv64 風魔法Lv64 空間認識Lv43 テイマーLv46 身体強化Lv26 看破Lv38 装備制限解除(数〈Lv変化なし〉


控え

酒職人Lv3 付加職人Lv3 縄職人Lv6 道具職人Lv17 採掘Lv5 大声Lv32

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