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VRMMOで拘束使い  作者: 因幡の灰兎
肆章 武器と生産と毒蠍
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用水路.1

「そろそろ梯子も終わりの様ですね」


「そうかのぉ」


五分程の間、梯子を降り続けた私達は漸く梯子を降り終える。

降りた所は、やや汚い水が作る道と隣接するコンクリートの様なもので作られた道だった。


「用水路のような所ですか。

隠れるには持ってこいの様ですねぇ」


「問題は目標が何処に居るかじゃが」


「それは」


鉄扇を開き、飛んできたナイフを弾き落とす。

飛んできた方向には、まさに暗殺者といった風貌の者達。


「この方々に聞けばいいと思いますよ?」


「そうじゃな!」


サガさんが鎖を暗殺者に向かって飛ばす。


「ほれ!」


先頭の暗殺者が飛んで避けた所で鎖にうねりを作り、空中の暗殺者の足を絡めとる。

そのまま、壁に叩き付けた。


「………!」


小さく悲鳴が上がるが、サガさんの攻撃には続きがある。


「【パラライズ】」


「アバババ!?」


鎖を伝って流れた電気で麻痺した暗殺者が動かなくなる。


「お見事」


それを見ながら、私は残りの暗殺者を一度に相手する。


「クッ!」


後続の暗殺者の腹を蹴って吹き飛ばし、


「フッ!」


別の暗殺者の速度が乗った刀を身を低くしてかわして、


「ヤッ!」


身を低くした私の真上へ跳んだ最初の暗殺者の投擲するナイフを鉄扇で再び弾き落とし、


「グェ!」


水の中から現れた最後の暗殺者の槍をかわして、首を掴んだ。


「御主に言われると嫌味にしか聞こえんのぉ」


その様子を見ていたサガさんは、呆れるようにして言った。

その間に首を掴んだ暗殺者に【パラライズ】を使用して麻痺させる。


いい忘れたが、【パラライズ】は《雷魔法》Lv10で覚える近距離魔法で、攻撃力はないが、相手を麻痺状態にする確率がかなり高いそれなりに優秀な魔法だ。

また、同時に覚えた【アンチパラライズ】は麻痺した対象の麻痺を高確率で解除できる。

これも、それなりに優秀な魔法だ。


「あとの三人ですが、どうしましょうか。

既に居ませんけどね」


水の中に潜んでいた槍の暗殺者が捕まった時点で、既に姿を消していた暗殺者達。

逃げ足の早さも称賛できるが、何より敵わないと理解した瞬間に味方を無視して撤退するある種の潔さが凄い。

ああいう手負いは放置すると後々面倒になる可能性が高いから何とかしたいのだが。


「居ない者はどうしようもないからのぉ。

先にこの二人に奴の居場所を聞くのが先じゃな」


「先程、聞けばいいと言いましたが知っているとは限りませんけどね」


「それを言うては、いかんじゃろ。

【拘束】【アンチパラライズ】」


サガさんが、私が捕まえた方の暗殺者を拘束すると、麻痺を解除する。


「話を聞きたいんじゃが、いいかのぉ?」


「………」


「何とか言わんか」


「………拘束を解くなら考えルガァ!?

ゴボボボボ………」


左頭部を強打された暗殺者が、用水路に頭から突っ込む。

それを冷ややかな目で見ているのは、右足をあげた状態で止まっている私だ。


「これこれ、なにをしておる」


ゆっくり、暗殺者を手繰り寄せて引き上げるサガさんがこちらを見ながら言ってくる。

しかし、その視線は”良くやった!”と言っているとしか思えないほど嬉しそうだが。


「いや、立場を理解できない雑魚を相手にするなら、これくらいで丁度いいと思いますが?」


「話を聞きたいんじゃ。

話せなくなっては困るじゃろ。

死人に口無しともいうしのぉ」


「使い方、間違ってる気がしますよ」


「状況的には、そうなってしまいそうだったがのぉ」


「それは否定しません」


幾分か水を吸い込んだであろう、咳き込んでいる暗殺者を視界の外に置き、サガさんと話をする。


「まあ、そうじゃな。

【パラライズ】」


「アガバババ!?」


咳き込んでいる暗殺者を拘束している鎖から電気が流れ、暗殺者を再び麻痺させる。


「アバババ!?」


「ふむ。

言いたいことは、大体予想がつくがの?

別にもう一人居るんじゃから御主に無理に聞く必要は無いんじゃよ。

【アンチパラライズ】」


サガさんが、もう一人の捕まえた暗殺者の麻痺を解除する。


「………あんた達の目的はなんだ?」


暗殺者が口を開く。

捕まっているという状況だ、随分と冷静さを感じられた。


「おや?

貴方はこの馬鹿と違って冷静ですねぇ」


「寧ろ、この状況で変な要求をしたソイツが可笑しい。

二人とも《雷魔法》を持っていると言うことは、かなりの拷問になる可能性が高いしな」


「拷問、ですか?

そういえば、確かに《雷魔法》は拷問に向いてますねぇ。

例えば、ひたすら【パラライズ】とか掛けたりとかすれば拷問以外何でもないですけどねぇ。

あ、《雷魔法》Lv30の【ライトショック】とか【プラズマボール】とかの神経直接攻撃ディフェンス・ペネレイション・ニーブっていう説明もそう考えると納得ですねぇ」


「これ、物騒な事を言うで無い。

背筋が冷たくなるわ」


「余計なこと言ったかなぁ」


呟いていたらサガさんと暗殺者に引かれた。

ついでに暗殺者の顔が真っ青だ。


「ああ、スミマセンねぇ」


「うっわ、怖ぇ」


「すまん。

同意見じゃ」


「………」


別に凹んで何て無いですよ?

一寸だけ胸の奥に針が刺さったような痛みがあるだけです。

幻痛ですよ。

ええ。


「あー、ゴホン。

暗殺者。

御主に聞きたいことがあるんじゃ」


「おう。

何でも答えるぜ?」


「ラクドを知っておるか?」


「ラクド?

ああ、あの逃げ足が速い奴か。

確かに、溜まり場に居たな」


「溜まり場?」


「ああ。

ここを真っ直ぐ行った所にある大きな広場だ。

ここに来た奴等は、殆ど其処で情報交換とかやってんだよ。

まあ、さっき逃げた俺の元仲間も其処にいると思うぜ」


サガさんが、此方に視線を向ける。

それに答えて、私は《空間把握》を使う。


「確かに、大きな空間が在りますね。

中に何人かの反応がありますが、ラクドの名前はありません。

《看破》が効いていない可能性は多々ありますがね」


「ふむ。そうか。

情報提供、感謝する」


「いんや、気にすんな。

用はすんだろ?

ほれ、殺せ」


そういって、グッタリとした暗殺者。

それを見て、私は悟る。


「なんだ。

冷静だと思ったら、唯の自暴自棄でしたか。

つまらないものですねぇ」


「おいおい、こんな三流暗殺者を捕まえてなに期待してんだよ?

仲間に見捨てられる様な奴だぜ?」


「見捨てられる?

何をいってるんですかねぇ?

どちらかといえば、この後は貴方が奴等を見捨てたような結果になりますが?」


「そうじゃのぉ。【拘束解除】」


「は?」


拘束を外された暗殺者が抜けた声を出す。

そのまえで、私達は歩き出す。


「お、おい?

なんだってんだよ?」


「見てわかりませんか?

見逃す、と言ってるんですよ」


「何、教えてくれた駄賃と思ってくれればよい。

荷物は二つも要らんしな」


「荷物?

ああ、その馬鹿ですか。

もう用水路にでも捨てればどうです?」


「コレは、世外人じゃ。

盾にする」


「それは良いですねぇ。

というか、いつの間にか気絶してますが」


「む?

おお、首に鎖が巻かれとるのぉ!

まあ、いいか。

ではな」


「貴方は、ギルドでシーフでもしてなさい。

その方があってますよ」


それだけ言って、私達は再び歩き出す。


「………すまねぇな」


後ろで頭を下げる暗殺者を《空間把握》で認識した。

暗殺者は元仲間達と同様に、影も残さず去っていった。

神経直接攻撃ディフェンス・ペネレイション・ニーブ

防御貫通攻撃ディフェンス・ペネレイションの一つ

動物や人間などには効果があるが、神経のないゴーレムなどのモンスターには効果なし


スキル

ロープマイスターLv50 暗器Lv28 踏技Lv1 雷魔法Lv64 風魔法Lv64 空間認識Lv43 テイマーLv46 身体強化Lv26 看破Lv38 装備制限解除(数〈Lv変化なし〉


控え

酒職人Lv3 付加職人Lv3 縄職人Lv6 道具職人Lv17 採掘Lv5 大声Lv32

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