対話.2
「幻想団に入ってほしい?」
"話"を聞いて直ぐに、思わず聞いた内容がそのまま口から出てしまった。
失礼ですね。気を付けなくては。
「………うん」
アイさんは、それに頷く。
「何故ですか?
私が必要なほど弱いわけではないでしょう?」
「弱いとか弱くないとか関係なく、私はバトラーに入ってほしい」
「いえ、あの、真正面から言われるとくすぐったいのですが………」
真っ直ぐに此方を見ながら嘘偽りのなさそうに言うアイさんに、思わず照れてしまう。
しかし、直ぐに冷静さを取り戻す。
「ゴホン。
まあ、それは置いといて。
私は、入ってほしい理由を聞いているんです。
貴女の理由は聞きましたが、幻想団の理由は聞いてませんから。
入るか入らないかは、それからでも遅くないでしょう?」
「………ん」
アイさんは、コクンと頷くと話始めた。
「………私達は現在、六人で幻想団となってるのだけど、そのなかでのバランスが取れなくなってきたの。
前衛にラウル卿とエレナ。
後衛にザウベルとナイ。
遊撃に私とユサ。
ここまで言えば、私達の戦いを見たバトラーは、バランスが崩れた理由がわかるでしょ?」
まあ、わかる。
なんせ、六人を同人数で三つに分けて、その内四人が同じ力量なのだ。
どういうわけ方でも、一つだけ弱くなる。
「ええ。
力量の差ですね?」
「うん。
私とエレナとナイとユサは、元々同じくらいの力量だったから。
ラウル卿とザウベルの力量と私達の差が元々あったんだけど最近は、それが顕著になってきたの」
思い当たりが頭に浮かんだ。
「小さい差なら、装備を良くするなどで対策は、取れたでしょうが、あの二人が各々で仕留めた奴等を貴女たちは、四人で足留めが精一杯でしたからねぇ。
その差は、些か大きすぎる」
悲しそうな顔をしながらも理解しているのか、頷くアイさん。
「うん。
昨日も久し振りに全員でボスに挑んだけど、」
今、凄いことを聞いた気がする。
「ちょっと待ってください。
全員で挑んだ?」
「え?うん」
「何処のボスですか?
(何処でも、過剰戦力だと思いますけど)」
「えっと、[南の坑道]の次だから、[火山地帯]?」
「どうでした?」
「誰も死なずに圧勝だったよ?」
「(でしょうねぇ!)」
ボスも災難だったろう。
怪物二人と戦うことになって。
「話、戻していい?」
「あ、はい。どうぞ」
少し、取り乱してしまった。
「それで、遊撃で私達は動いたんだけど、二人の足を引っ張っちゃって」
「なるほど。
それで、私が必要と」
「うん。いい?」
すこし、考える。
普通に考えて、とても魅力的な話だ。
あの二人は、別格としても、他の四人も十二分に強い。
彼等の仲間になれれば、それは心強いだろう。
だが、
「今は、NOですね」
「理由は?」
「ソラとリクの事が、まだ、おわってませんから」
「終わったら良いの?」
「そう、ですね。
まあ、なんにしても只で入るわけには、いきませんよ?」
「どうして?」
「只より高いものは、無いんですよ」
誤魔化すようにそういって、私は立ち上がる。
「今日の話は、此処までです。
支払いは、しておきますからね。
御休みなさい」
まだ、何か言いそうなアイさんを置いて私は、店を出た。
そして、飛び上がり夜に紛れた。
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「フルー、ルドゥ、ノウン」
「「「………」」」
宿で呼び出した三体は、出てきてすぐに、なにも言わずに私に抱き付いた。
「本当に、賢いですねぇ。
ありがとうございます」
ベットに寝転んでフルーのふさふさの尻尾や、ルドゥのひんやりとした体、ノウンの小さくて柔らかい手足を触る。
「あの二人は、気付けなかったんですねぇ~。
哀しいですが、まあ、やっぱりですね」
三体に囲まれて、目を閉じて、心のなかで言った。
「(人生は、やっぱり、妥協と惰性、ですね)」
一人でボスと闘える主人公と同等の二人が協力してボスと闘えば、そりゃ圧勝するでしょうよ。
とりあえず、哀れなボスに敬礼(^_^ゞ
それは、それとして、終わり方が少々強引だったかな?
まあ、妥協と惰性ってのは、作者のたった十数年の小さな人生で培ったちゃちな経験則なんですけどね。
スキル
ロープマイスターLv50 暗器v23 脚技Lv37 雷魔法Lv64 風魔法Lv64 空間認識Lv38 テイマーL40 身体強化Lv14 看破Lv34 装備制限解除(数〈Lv変化なし〉
控え
酒職人Lv3 付加職人Lv3 縄職人Lv6 道具職人Lv17 大声Lv32 採掘Lv5




